第5話「運が悪けりゃ女にモテる」(1979年5月13日)
麻生探偵事務所を訪れた妖艶な美女・礼子は、ポンと麻生に100万円の現金を渡して仕事の依頼をする。
礼子を演じるのは緑魔子姐さん。彼女からすれば、沖雅也など「七五三の坊や」に過ぎないのであった。
麻生は早速仲間を呼び集めて、依頼の内容を説明する。
麻生「依頼人は、ウシオ商事社長の妹・礼子さん」
ナビ「ウシオ商事? 聞いたことねえな」
麻生「ある女性を誘惑して貰いたいと言うことだ」
ダーツ「いー仕事じゃないの、危険もなさそうだし」

麻生「女の名前は紺野ユリ、ウシオ商事の社長がこの女に首っ丈で、真剣にプロポーズをしている。ところが一族は大反対。理由はこの女の金遣いの荒さ。巨額の買い物を社長にどんどんねだる! 元は銀座のホステス」
ユリをホーン・ユキ、礼子の兄・留三を岸田森が演じている。
ナビ「つまりその女を誘惑して、社長に決定的な現場を見せ付けるってことだな?」
ダーツ「つまり僕たちの仕事は」
全員「間男!」
報酬100万、しかもいつもと違って楽しそうな仕事内容に、男たちは色めき立つ。ユーコはひとり浮かない顔。

ナビ「任しといてくれよ、こういう仕事はね、もっとも得意とするパターンなんだよ」
ダーツ「ナニ血迷ってんの、悪いモンでも喰ったんじゃないの?」 当然、誰が間男の役をするかで醜い争いになる。で、ユーコがでかい知恵の輪を4人に渡して、最初に解けたものからユリを誘惑することにさせる。
結果は、1位ナピ、2位ダーツ、3位ジュン、そして、

麻生「くっ、インテリジェンスのカタマリの筈だがっ!」
意外にも麻生が最下位になる。
ただし、これは麻生にそんなことをさせたくないユーコの策略で、麻生に渡したものは絶対解けないように仕組まれていたのだ。
で、最初にナビさんがスーパーで買い物をしているユリにアタックするが、全く相手にされず。

2番手のダーツ、めかしこんでユリのマンションに麻生と一緒にやってくる。
麻生「ようし、完璧だ!」
ダーツ「これから間男に行って参ります」
ここで、ジュリーの「カサブランカ・ダンディ」のイントロが流れるのが笑える。ただし、イントロだけ。
ダーツはいきなりユリの部屋をノックして上がり込もうとするが、

ズタボロになって戻ってくる。
ま、見ず知らずの男が若い女性の部屋に入ろうとしたら、そうなるわな。
3番目にジュンがトライしたのかどうか不明だが、依頼主の礼子が事務所にやってきて仕事の進み具合を確かめる。麻生以外の男が口説こうとしていると聞いて、
礼子「だめよ、あなたでなきゃ。あたしあなたを見込んでお願いしてるのよ」
麻生「あっ、これは光栄のいったりきたり……」
礼子「あなたぐらいのハンサムなら、どんな女だってイチコロの筈だわ」
おだてられてその気になる麻生。横で聞いているユーコは気が気ではない。

客が出て行った後、
ユーコ「キャプテン……キャプテン!」
麻生「うんっ? なんだ?」
ユーコ「……なんでもないわ」
結局麻生がその役をやることになってしまい、ユーコは少し寂しそう。

ただし、麻生の作戦もナビやダーツと大差なく、ひたすらユリにまとわりつくという、単なる変質者のようなものだった。
それでも、ユリのヒールが壊れたのをすかさず携帯していた工具で手早く直してあげて、多少は脈がありそうな感じにはなる。

しかし、麻生はいつもそんなものを持ち歩いているのだろうか?
工具箱には、可愛い麻生のイラストシールが貼ってある。
麻生、ユリのマンションの前に車を止めてずーっと彼女を見張っている。ほぼストーカーである。

と、何故かそこへ、金沢とゴリラが現れる。
ゴリラ「ちょっと署に来てくれ」
麻生「あら、ここにいると罪になるのか?」
ゴリラ「黙って言われた通りしろぉ」
麻生「偉そうなんだお前は!」
金沢「麻生さん、ちょっとだけ、ちょっとだけお願いします」
後輩の金沢に頭を下げられ、麻生は仕方なく新妻署に行く。

だが、取調室に入ってきた南雲(江守“初めてのお客様にはお売りできません”徹)は妙に愛想が良い。
南雲「いや、待たせて悪かったなぁ、ま、お茶でも飲むか……いや、あそこらへんは駐車違反が多くてねえ」
麻生「南雲さん、いつから金沢とゴリラ、交通課へ回ったんですか?」
二人は腹の探り合いをする。どうやら、南雲たちもユリをマークしているらしく、麻生は彼女に近付くなと警告される。
一方、ダーツたちはウシオ商事が竜吉組と言うヤクザの隠れ蓑であることを知り、事務所に戻ってきた麻生に伝える。麻生も「命と引き換えにヤクザの女に手を出すんじゃ割が悪過ぎる」と、今度の件から手を引く気組みを見せる。
だが、一緒にいた藤波弁護士は、何故ユリのような女性がヤクザの親分なんかと付き合っているのかと疑義を呈する。今度の一件には何か裏があるのではないかと……。

そこへ依頼人の礼子から催促の電話。
礼子「ビビッちまってんだったらしょうがないけど、やってくれるんだったらあと50万上乗せしても良いのよ

」
麻生「さらに50?」
礼子「この際、お金に目がくらみなさい! 男の子でしょう、冒険しなくっちゃ!」 まるっきり麻生を子供扱いする礼子。
沖雅也、撮影時、まだ26才なんだよね~。緑魔子は、30代半ば。
麻生(受話器を押さえて)「やればさらに50万円プラス!」
ダーツ「やるべき!」
ユーコ「殺される」
ナビ「やれよ、死ぬのはただひとり」
麻生「やりましょう、死ぬのは僕ひとり……うん?」
麻生がナビを睨むと、みんな揃ってソッポを向く。
麻生「本当に殺されませんね?」
礼子「保証するわ」
礼子は兄とユリが食事をする予定になっている店を教える。
麻生、間男にふさわしい格好に着替え、ダーツをお供にその店へ出発。
留三は食事の席で、ユリに正式に結婚を申し込む。
その後、所用で席を外した留三の代わりに、麻生が度胸を決めてユリに突撃する。
後編につづく。