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「俺たちは天使だ!」 第5話 後編


 続きです。

 「間男」を演じる為、麻生はユリのいる部屋へ突入する。
 ユリ「あなた……」
 麻生「人の恋路の邪魔をするのが私の趣味でして」
 ユリ「出てって、命が惜しかったら出てって!」
 麻生「あなたの為なら、命の10や20……」
 ユリ「ばっかぁねえ、本気で言ってんのよ、あたし!」

 委細構わず、麻生はユリに抱き付こうとする。部屋の中を逃げ回るユリ。

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 だが、とうとう麻生に捕まり、唇を奪われる。
 麻生が仕事とは言え、実際にキスをするのはかなり珍しいシーンだ。これだけだったかな?

 と、正にそのタイミングで留三組長と、妹の礼子、組員たちが入ってくる。

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 留三「若えの、いい度胸だな」
 礼子「おにいっちゃん! だから言ったでしょ、この女はこんな女なんだって! お兄ちゃんカモられてるだけなのよ」
 35にもなって「お兄ちゃん」と呼ぶ礼子が可愛い……。

 留三「ユリさん、これは何かの間違いだね」
 ユリ「勿論よ、信じて竜吉さん」
 礼子「お兄ちゃん、たぶらかされたらダメよ!」
 留三「てめえは黙ってろ、おい、セメント詰めだ」
 組員A「セメント」
 組員B「セメント」
 麻生「セメントぉーっ? いや、ちょっと待ってくれ、それじゃ話が違う……」

 依頼人の礼子はだんまりを決め込んで助けてくれず、麻生はそのまま組員たちに連れられて行く。
 だが、留三と別れたユリは、駐車場で密かに南雲と会い、麻生の保護を頼む。どうやら彼女、南雲と同じく警察関係者らしい。

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 留三と礼子が組の事務所にいると、和服に着替えたユリが現れる。
 礼子「あら、あんた何しに来たのぉ?」
 ユリ「つまらない男のひとりや二人のことで、あたしたちの仲がこじれるなんて、信じられるかしら? ねえ、水に流して……」
 留三「どういうことなんだ、俺との結婚を承諾するってことなのか?」

 ユリに惚れ切っている留三、あっさりとさっきのことを許し、断固としてユリと結婚すると宣言する。

 礼子「お兄ちゃん!」
 留三「もう誰にも反対させんぞ、お前にも口出しはさせん。そうだ三日後、一家中を呼んで披露宴をしよう。それからその時にアレを持って来るんだ」
 礼子「アレって?」
 留三「取引だよ、取引!」

 兄妹の会話を聞いていたユリの目が光る。

 さて、ダーツから連絡を受けて、ナビさんも急いで駆けつけ、二人で麻生が監禁されている倉庫へ決死の覚悟で突入しようとする。

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 しかし、いざ突撃、と言うところで、麻生の方から涼しい顔をして出てきて、拍子抜け。
 南雲の指示を受けたゴリラたちによって既に助け出された後だったのだ。

 麻生「おかしいぞ、俺がここにいるのを知っているのは竜吉たちにダーツ、他に……」

 麻生たちが事務所に戻ると、ジュンがやってきて、近いうちに竜吉組が巨大な麻薬取引をしようとしていると知らせる。その額、何と1億!

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 麻生「ジュン、その1億の金を銀行に預けたとして、利息はどのくらいになる?」
 ジュン、常に持ち歩いている電卓を素早く叩いて、
 ジュン「1年物の定期で約450万!」
 麻生「いや、5年後だ」
 ジュン「2年定期を2回に1年定期を1回使ったとして……1400万!」

 つまり、1979年当時は5年で14%(!)の利息がついていたわけだ。今では考えられない高利回りである。

 麻生「それだ、奴らが服役している間にその金を銀行に預けて、その利息を頂く!」
 ナビ・ダーツ・ジュン「頭良い~!」
 ユーコ「そんなこと出来る訳ないわよ」
 麻生「いや、出来るんだ。一か八か、運が良ければ!」
 ナビ・ダーツ・ジュン「利息で、利息で、利息で、喰える~!」

 ドラマ史上、私立探偵が口にした最低の台詞であろう。

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 三日後、どこぞの料亭で留三とユリの結婚披露宴が開かれる。

 和か、洋か、どっちかに統一しませんか?

 三々九度の杯の後、引き出物として、東南アジアから輸入された極上のヘロインが披露される。

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 だが、その運び屋として入って来たのは他ならぬ麻生探偵事務所の面々。

 彼らはあらかじめ庭内に忍び込んで、運び屋たちを片付けて彼らになりすましていたのだ。

 留三「オウ、ご苦労さん、こんなめでてえ日はねえ。さ、品物を見せてくんな」
 麻生はヘロインの袋を留三に放る(1回失敗してもう1回投げている。アドリブかな)。

 品質を確かめた留三、1億円を麻生に渡す。
 だが、そこへ、麻生たちの侵入に気づいた礼子たちが現れる。同時に南雲たちもやってきて、留三を「麻薬取締法違反」で逮捕しようとする。

 後は、ヤクザ、警察、探偵が入り乱れての大騒ぎ。

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 その最中、留三を捕まえるのではなく、取引を持ちかけるのが麻生のただならぬところ。
 麻生「お前は取引の現場を見付かってるんだ。絶対に捕まる。あの金は、俺たちが銀行に預ける。数年後にはまるまるお前のものになるんだ。俺たちの報酬は、お前が服役している間の利息を貰うだけ。どうだ?」
 留三「…………」
 思案していた留三、やがてがっちり麻生と手を握る。交渉成立。

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 その後、留三はウェディングドレス姿のユリに逮捕される。
 留三「ユリさん……」
 ユリ「あたしは麻薬Gメン、今日の取引を潰すのが目的だったの」
 初めて真相を聞かされ、ショックを受ける留三。

 ユリ「悪く思わないでね」
 留三「そりゃ思うわい!」

 南雲は留三が連行された後、「あんな奴に同情することはない」とユリに言うが、いくら麻薬取引を潰す為であっても、ユリが留三の恋心を弄んだことに変わりはない。

 ここまでは麻生の計画通り。1億円持って、こっそりと逃げようとする麻生、ナビ、ダーツ。だが、例によってあと一歩のところで南雲に見付かり、1億円を回収されてしまう。

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 それでも、礼子から貰った100万円が懐に入り、事務所としては悪くない実入り。

 麻生「本日はお忙しい中、お集まり頂いて誠にありがとうございます」
 一同「オスッ」
 麻生「男のロマン、1億円はダメになりましたが、幸いにして100万と言う銭が入りました。で、本日はアジサンド尾頭付きで祝いたいと思います。かんぱーい!」

 ところが、その100万円を分配しようとした瞬間、大家(下川辰平)が現れて延滞している事務所の家賃3か月分プラス利息として100万全部掻っ攫ってしまう。

 悄然とする麻生たち。だが、そこへユリからの手紙が届く。

 「麻生雅人の身辺調査をお願いします。私とっても麻生さんのことが知りたくなりました。詳細に報告してください。休暇から帰ってくるまでに……調査料は別便にて5万円お送りいたします」

 ユリが麻生に惚れたと言うより、これは彼女から事務所への個人的なお礼と見るべきだろう。
 ちなみに、これっきり、ユリが登場することはない。

 今回、トータルで105万稼いだのだから、まずまず悪くない。まあ、家賃であらかたなくなってしまったのはしょうがないけど。

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 縦長の窓を払い出し窓口に見立てて、ひとりひとりに1万円ずつ手渡す麻生。

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 最後は勿論、「俺たちは天使だ!」で締め。ただし、今回はいつもとポーズが違う。

 今回も、正直パッとしないエピソードだった。


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70~80年代の特撮、80年代のドラマを中心に紹介しています。

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