第19話「世界最強の美女!!」(1979年6月9日)
今回は、女幹部サロメが初登場する。その為、怪人や巨大ロボットが登場しない異色の回となっている。

ケイコ「また0点! これも、これも、全部0点。よくこんなにまあ0点ばっかり揃えたモンね」
自身が働くスナック「ケニヤ」で、弟マサルの答案用紙を見ながらケイコが呆れている。
ケイコ「早く帰って勉強しなさい!」
姉に言われて、ふらふら家路につくマサル。

公園の中で、逞しい体つきの女が、警官に喧嘩を売っているところにでくわす。
サロメ「やい、ポリ公、どこ見てんだよ、ここだよ」
警官「なんだお前は」
サロメ「ポリ公って言われて、悔しくないのかい?」
警官「悔しいです!!」(註・言ってません) サロメはたちまち警官をのして、隠れていた部下たちを呼ぶ。
警官の着ていた制服を部下に着せると、そのニセ警官に現金輸送車を誘導させ、自分たちのアジトへ連れて来る。同様の手口で、サロメは次々と現金を強奪する。

マサルから話を聞いたバトルフィーバー、ケイコはその公園にやってくる。
ジャパン「どんな顔だった?」
マサル「どんなって言ったって……」
ケニア「美人だったかい?」
マサル「さぁ」
フランス「君の姉さんと、どっちが良い女?」
マサル「姉ちゃんなんか、目じゃないよ! 月とスッポンさ!」 
はっきり言われて、「まぁーっ!」とむくれるケイコ。
でも、マサルだって、人前で自分の姉のことを誉めるのは気恥ずかしかったので、そう言うしかなかったのではないだろうか?

コサック「まぁなー、お姉ちゃんの顔も
あの手の顔だもんな。お世辞にも美人なんて……」
調子に乗ってベラベラ喋るコサックだが、「あの手の顔」って、どの顔のことを指しているだろう? 彼らはまだサロメには会ってない筈だが……。
なお、画面の端ではケニアがケイコに鼻を押さえてブタの真似をして見せ、怒ったケイコがケニアの足を思いっきり踏むと言う微笑ましいやりとりが行なわれている。
マサルは彼らの方を向いて、
「相手はアントニオ猪木やジャイアント馬場より強いんだぜ」
ケイコ「姉ちゃんはねえ……」
フランス「おいおい、その女ってのは女子プロレスみたいな女か」
マサル「そうだよ」
フランス「あんまりゾッとしねえな」
サロメを演じる上田マキは実際に元女子プロレスラーで、ジャッキー佐藤と「ビューティ・ペア」を結成し、アイドル的な人気を誇っていた(よく知らんけど)。
ジャパンたちは、マサルに協力してもらい、モンタージュ写真を作らせることにする。
サロメ、今度は普通に銀行強盗を働く。

駆けつけた警官隊に銃をぶっ放す部下の皆さん。
最近、ストッキングを被って強盗する人っているのかな?
もっとも、彼らは強盗する時だけじゃなく、いつもストッキングを被っている変態集団なのだ。

事件を聞いて、眉を曇らせる鉄山将軍。
「街は今やパニック状態だ。場所によってはひとっこひとりいず、死の街となっているそうだ」
その横に立つ女性、今回から登場の中野トモコ(菅野啓子)である。
ちなみにそれまで出ていた女性は、青葉ミドリ(司ゆり)で、管理人、今までミドリとトモコを混同していたようだ。お詫びして、訂正しません(面倒なので)。
個人的には、司ゆりさんの方が好みだったので(知るか)、この交替はちょっと残念だ。
だが、鉄山は、サロメはエゴスではないと言う。
鉄山「これまでの情報では、犯罪組織エゴスにプロレスラーのような女はいない……これはエゴスとは別の犯罪組織の仕業だ」
言い切る鉄山だが、実はサロメはエゴスのアメリカ支部の人だったことが分かる。要するに、情報が古かったのだろう。
一方のエゴスでも、サタンエゴスがサロメの正体についてヘッダーに問い質していた。ヘッダーはまだそれがサロメだとか知らなかったのか、返答できない。サタンエゴスは、ヘッダーにサロメの正体を突き止めて来いと命じる。

バトルフィーバーに先んじてサロメを発見したエゴス。
だが、サロメは戦闘員など物の数ではなく、ちぎっては投げ、ちぎっては投げ。
ところが、ヘッダーはサロメを見るなり、親しげに話しかける。
ヘッダー「いつ見ても見事な腕前じゃな、サロメ」
サロメ「ヘッダー指揮官、お久しぶりです」
ヘッダー「お前の作戦は見事、図に当たった。サタンエゴス様に紹介しよう」
ヘッダーは、サロメを連れてサタンエゴスの前に戻る。
ヘッダー「サタンエゴス様に申し上げます、アメリカ支部より、世界最強の女、サロメがただいま到着いたしました!」
サロメはヘッダーの弟子だったのだ。
しかし、それ以前にもアメリカ支部に所属していたのだから、支配者サタンエゴスも彼女のことを知ってないとおかしいんだけどね。
ヘッダー「サロメ、サタンエゴス様にお土産を!」
サロメ「ははーっ」
サロメの部下たちがぎっしり札束の詰まったジュラルミンケースを運び込む。
サロメ「10億円ばかり。エゴスの資金にお使い下さい」
サタンエゴス「でかしたぞ、サロメ!」
よほど縁があるのか、またマサルがサロメが強盗の打ち合わせをしているのを目撃する。
姉のところへ急いで知らせに行くのだが、その際、彼の証言で作られたモンタージュ写真の載った手配書を指して、「ああーっ、この女見たよー」と声を上げるのだが、これってなんかおかしくないか?
それに、両方ともマサルが目撃者になるんだったら、モンタージュ製作のくだりも要らないし。
とにかく、知らせを聞いてバトルフィーバーがアジトを急襲する。
意外にも、サロメはあっさりと彼らに捕まり、連行されてしまう。
ヘッダー「サロメは我が愛弟子、見殺しには出来ない」
と、ヘッダーはサロメの持っている発信機を頼りにサロメ救出へ向かう。

サロメ、椅子に縛り付けられ、バトルフィーバーから尋問される。
ジャパン「名前を聞かせてもらおう」
サロメ「サロメ……フン、私を随分軽く見たもんだね」
コサック「なにぃ」
サロメ「私はね、アメリカ支部にその女ありと恐れられた、世界最強の女さ。これまで、アメリカで起こった暗殺事件は陰で私がみんな糸を引いていたのさっ」
サロメの言葉にあわせて、ケネディ大統領の写真などがイメージ的に映し出される。
ケネディ暗殺の黒幕は、サロメだったのだ! まあ、
冗談はさておき、バトルフィーバーはサロメに司令部の場所を吐かせようとする。
サロメ「私は死んだって吐かないよ」
コサック「ちょっと痛めつけるか」 ジャパン「待て、時間をかけて吐かせよう」
考えたら、ヒーローサイドが悪玉を捕まえて尋問するシーンって滅多にないよね。
やっぱり、いくら相手が悪でも、ヒーローが「拷問」とかしちゃまずいからね。
サロメ「ここがバトルフィーバーの秘密の基地かい、もうお芝居はやめようじゃないか……私はね、お前たちにわざと捕まったんだよ」
サロメはそう言うと、剛力でロープを引き千切り、バトルフィーバーたちをぶっ飛ばしてその建物から抜け出す。

ちょうど、彼女を捜していたヘッダーと出会う。
サロメ「バトルフィーバーの秘密基地を突き止めました。倉庫の中です」
ヘッダー「倉庫? サロメ、お前はバトルフィーバーに一杯喰ったぞ。バトルフィーバーの秘密基地は海底じゃ!」
バトルフィーバーも、用心してサロメを本当の司令部には連れて行かなかったのだ。
そこに強化服をまとったバトルフィーバーが登場、サロメ、ヘッダーたちと戦う。
必殺ペンタフォースを受けて、ヘッダーは命からがら司令部へ戻る。

サロメに担がれながら、サタンエゴスの前に跪くヘッダー。
ヘッダーが、サロメのお陰で一命を取り留めたと話すと、
サタンエゴス「よくやったぞ、サロメ」
サロメ「恐れ入ります」
サタンエゴス「ヘッダーよ、大事に致せ」
サタンエゴスって、妙に人間的で部下思いなんだよねー。