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「悪魔が来りて笛を吹く」DVDその2(2012年5月10日更新)

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 続きです。

 ところで昨日ブログで書くために「氷柱の美女」のDVDを借り直して見たのだが、いやぁ、何回見てもつまんねえ。とにかくヒロインのおばさん臭がすべてを台無しにしている。これは三ツ矢歌子が悪いというより、彼女をキャスティングした奴が悪いんだけどね。よくこんなスタートで、25作も続いたものだなと感心する。

 で、「悪魔が来りて笛を吹く」の続き。

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 金田一(西田敏行)は、須磨での調査の途中、強硬に美禰子に東京に帰れと言う。結局美禰子は聞き入れるのだが、その際、何者かが玉虫伯爵の別荘跡地の石灯籠に刻んだ「悪魔ここに誕生す」という文字を、「これ消しちゃいましょう」とがりがりと削ってしまうシーンがある。さすがにこれには「おいおいおいおい」と全力で突っ込みを入れてしまった。

 これは椿子爵が以前秘密旅行に来た時に何かのメッセージとして書き残したもので、確かに事件の証拠ではないにせよ、探偵がそうやって手をつけていいものではないだろう。非常識にもほどがある。原作だと、金田一が発見し、それをのちに刑事に見せようとしたら、何者かによって消されていて、非常に驚くと言うシーンがあるのだし。金田一自身が消すのだけはありえない。

 昨日の最後で記したが、金田一は、小夜子を産んだお駒の自殺を発見するのだったが、その後、住職との会話の中で、お駒の最近の様子が語られるのだが、

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 不安と恐怖のあまり、海の中に突っ込んで踊り狂うお駒というシーンが回想されるのだが、これじゃ、単なる暗黒舞踊のパフォーマンスである。
 こういう過剰演出が、斉藤光正が抜擢された素因だろうが、個人的に余り好きではない。評価された横溝正史シリーズの「獄門島」も、わたしゃ嫌いだ。


 さて、須磨から、一足先に自宅に帰ってきた美禰子だったが、何故か自宅は無人であった。原作でも、偽電報やらニセ電話などで、新宮利彦と椿アキ子以外の住人が全員不在になるというシーンがあるのだが、この映画では十把ひとからげに偽電報で呼び出されるのが雑である。

 そして、美禰子は帰ってきた三島にメロンを貰い、それを自分と母親にために切って、母親のところへ持っていくのだが、女中のお種(二木てるみ)に制止される。



 以下、物語の核心に触れる箇所あり枡。



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 お種をふりきって中を覗いた美禰子の見たものは……なんと、新宮利彦と椿アキ子の、実の兄と妹による豪快なセクスであった。

 そう、二人は近親相 姦と言うよこしまな愛に溺れていたのだった!

 原作では、最後の最後までこれは伏せられている事実なので、こうやってあっさり暴露されるのは、ちょっと勿体無い気がする。ただ、それをアキ子の娘の美禰子に目撃させるのは、ショッキングでなかなか良い。

 ただ、この二人、ここまで開放的にハメまくってきたのに、よく今までばれなかったな、と不思議である。ちなみに、偽電報は新宮利彦が邪魔な家族を遠ざけるために出したものだったのだ。もっとも、原作ではエッチ以外に、金に困っていた利彦が、妹から宝石をせしめようという実利的な魂胆もあったんだけどね。映画では省かれている。

 また、郵便局員で新宮利彦の電報を受けたひとを、秋野太作が演じています。
 (前回の中村雅俊と同様、「俺たちの旅」がらみの特別出演だった……と思う)

 それから、警察は椿子爵にそっくりの顔の飯尾豊三郎の死体を発見する。飯尾は「天銀堂」事件の真犯人だったのだが、椿家の事件の真犯人に弱みを握られ、椿子爵の扮装であちこちに出現させられていたのだった。で、用済みになったのであっさり殺された模様。

 なお、この男を金田一の先輩・風間(梅宮兄貴)が探す、闇市のシーンでは、
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 原作者の横溝正史(左から三番目)と、製作の角川春樹(右から二番目)が特別出演しているのだった。

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 さて、椿家では、あられもない姿をこともあろうに娘に見られたアキ子が、美禰子のところにやってきて、漠然と自分の止め処もない性欲のことを打ち明ける。親子でそういう話題、気まずいなぁ。

 そこで、再びフルートの音が聞こえたので、アキ子はびびりまくって鎌倉の別荘へ逃げ出すのであった。この逃避行は原作にある展開なのだが、映像化の際は割愛されることの多いシチュエーションである。

 あ、書き忘れていたが、新宮利彦も温室の中で殺されるのだった。
 そして、金田一は、
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 玉虫伯爵が殺されたときの、準密室トリックの謎解きをする。

 このトリック、はっきりいって「本陣殺人事件」を書いた正史とは思えぬへぼさなのであるが、個人的には好きである。何故ならば、意図的に作られた密室ではなく、事件の流れとして必然的に成立した密室だからである。言い換えると、部屋に閉じこもった人間を外から殺したために、結果的に密室になっただけなのだ。

 この事件の中で金田一が探偵らしい働きを示すのはここだけのような気もする。その後、犯人たちは罪を追及されることもなく、自分たちで勝手に事件の動機や自分たちの素性をぺらぺら話し、アキ子を死に追いやり、警察の手を煩わすことなく自殺しちゃうからね。

 原作と大きく違うのが、三島だけでなく、お種も共犯だったこと。つまり、原作の「不倫問答」あたりで書いてある、お種=小夜子という刑事の空想を、そのまま活かした脚色になってるわけだ。また、兄弟相姦の結果生まれたのは、原作では三島の方だが、映画ではお種(小夜子)のほうになっている。

 そもそも、原作では小夜子は兄の子供を身篭ったことで、自殺してしまうのだが、映画では子供は降ろしたが、自分は死に切れなかったと言う設定で、その後、二人して椿家に乗り込み、自分たちを産んだ利彦やアキ子に復讐しようとしていたのだった。

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 復讐を遂げたあと、毒を仰ぎ、フルートで「悪魔が来りて笛を吹く」を吹いてから死んでいく二人。なかなか印象的なシーンである。

 事件が何となく片付いたあと、金田一と美禰子はふたたび淡路島を訪れる。「なんで?」と思うが、ロケしたからついでに撮ったのだろう。

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 金田一「君なら大丈夫、若いし、賢いし、それに、綺麗だし」
 美禰子「やぁだぁ、先生」
 金田一「笑った笑った、やっと笑った、初めて見ました」
 と言うなごやかなやりとりに水を差すようだが、

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 美禰子さん、初対面の時から結構笑ってらっしゃいましたよ。

 原作では、美禰子にウィッチ(魔女)のようなどす黒い影がつきまとっていたのが、事件の終焉後にそれがなくなっていたという描写があるけどね。

 そして、金田一は何故だか知らんが、そこから船で九州に向かうのだと言う。いや、事件があるからなんだろうけど、九州に行くと言う金田一はかなり違和感がある。原作だと、せいぜい広島くらいが西進の限界線だからね。

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 海の上を進む金田一を乗せた漁船を見下ろす美禰子。この辺の映像はほんと綺麗だ。

 と言う訳で超駆け足で、しかも説明不足のまま書いてしまったが、気になる人は、まず原作を読んでから、映画を見たほうが良いと思います。

 で、作品としてはなかなか良かったと思う。あの複雑な長編を大した破綻も見せずに130分で一本に仕上げるのは凡手のなせる業ではない。ただ、ついでに、最後に10分くらい足して、金田一の口から、事件全体を概説させるべきだったとは思う。

 ちなみにDVDには予告編とスチールが収録されているが、そのスチールの中に、

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 こういうのがあって、これは砂占いの席で、火炎太鼓の紋章が現れた後で、新宮利彦が自分の背中にある同様の痣を金田一に見せているシーンじゃないかと思う。これは撮影はしたけど、結局カットされたんじゃないかな。なんか笑える。



 以上、お粗末でした。


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70~80年代の特撮、80年代のドラマを中心に紹介しています。

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