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探偵・神津恭介の殺人推理9「こだま号遠隔マジック!?」後編


 解決編です。ネタバレ注意!

 神津から頼まれて、研三はひとり静岡の百合子の実家を訪れる。百合子の実家は生花店で、父親がひとりで経営していた。
 百合子の老父は、初めて会った見ず知らずの研三(しかもルポライター)に、百合子が自分の実子ではなく、妻(故人)の妹の子供であること、義妹は30年前に百合子を産んですぐ病死したことなどをベラベラ話す。
 そんな奴いねえよ。

 養父は、百合子の実の父親については何も知らないと言う。だが研三から報告を聞いた神津には事件の構造がほぼ読めていた。

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 百合子が自宅マンションへ帰ると、玄関の郵便受けに、神津が彼女の実家から送ってもらった薔薇の花束が挿してあった。

 メッセージカードを見た百合子は、雨の降る中、マンションの外へ出てくる。と、いつになく男前の神津が、歩道橋の下に立っていた。
 神津は「私は謎を謎のまま放っておけない、損な性分なんです」とだけ言って、傘も差さずに歩き去る。
 
 神津は、翌日、松平実彦に会い、百合子が彼の実の娘であることを告げる。

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 神津はまた百合子と偶然出会い、歩きながら少し話す。百合子は近々、実彦の庶子認知と相続権設定の手続きを行うことになっていた。
 百合子「その前に、また先生にお会いできるなんて、幸せです……聞いて頂けます? 先生」
 神津「なんでしょう」
 百合子「私、お金なんて少しも欲しくありません。何十億の財産なんて何の魅力も感じません。信じて頂けないでしょうが、先生にはこれだけは言っておきたかったんです……あたしが本当に欲しかったのは……」
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 話しているうちに胸が詰まったように、落涙する百合子。
 百合子「ごめんなさい……」
 神津「あなたが欲しいのはお金じゃない。あなたが本当に欲しかったのは何なのか、それは聞かないことにします」
 百合子「もっと、ずっと前に、スペインの田舎でも、あなたに会いたかった……」
 神津「百合子さん……」
 二人はどちらからともなく手を握り合う。

 色恋沙汰には縁遠い神津にしては珍しい行為である。

 さて、いよいよ解決編。普通なら、生存しているキャラが集まった上で、神津が「さて……」などと切り出すのだが、今回は脇役は一切排除の上、実彦の伊豆の別荘の小さな部屋が舞台。

 百合子、実彦、佐藤医師、そして神津だけ。
 オブザーバーの神津がやや遅れて来たときには、既に諸手続きは完了し、神津と入れ違いに弁護士は辞去する。実彦は、晴れて自分の娘となった百合子に、世話になった佐藤と結婚して欲しいと言う内意を漏らしていた。

 神津は、実彦に頼まれていたもうひとつの依頼、すなわち滋子と佳子、二つの殺人事件をその場で解決して見せると言い出す。

 で、単刀直入、「佐藤先生、(犯人は)あなたです!」と名指しする。さらに、百合子も共犯だと断言。

 佐藤「はははは、あなた、脳をやられたんじゃありませんか?」←医者が言う台詞か?
 神津「ご心配なく、私の話を最後まで聞いてから診断してください」

 そこへ、研三と兄の松下警部も入来。
 神津が自分の推理を披露して行く。

 まず、第一の滋子殺し。
 滋子の姿が見えなくなるもっと前、百合子は滋子にニセ手紙を渡し、彼女を屋上へ行かせる。

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 その後、人体消失トリックに使う器具を利用して、マリー・アントワネットの衣装で鏡台に向かう滋子の偽物を作り出したのだ。
 その上で、あらかじめ用意していたテープから滋子の声を流し、さもそこに滋子がいるようにその声と会話を交わしていたのだった。実際はそんなに上手くは行かないと思うけどね。

 一方、屋上には佐藤が待ち構えていて、滋子を屋上から落として殺す。
 そして、テープの指示で百合子はコーヒーを取りにその場を離れ、戻ってきた際、水谷たちがステージの方に気を取られている隙に素早く滋子の偽物を始末して衣装を脱ぎ捨てられたように置き、聞こえよがしに「奥様ーっ、奥様ーっ」と声を出して、水谷たちの注意を惹いたのだった。

 当然、滋子の殺されたのはその後と言うことになって、佐藤も百合子もアリバイが成立したのだ。

 神津は証拠として、佐藤がステージでハサミを使ったマジックを披露していたこと、屋上にわざと捨ててあった水谷のボタンもハサミで切られていたことを挙げるが、ハサミなんて何処にでも転がっているのだから、あまり意味はない。

 二つ目の佳子殺しは、ミルク缶の中に青酸化合物を前以て塗布しておいたというものだが、神津の調べで、事件の数日前に、ミルク缶の置いてある中山の店に佐藤が訪れていることが判明していて、佐藤がその際、ミルク缶に細工をしていたと言う。その時、ミルク缶は同じ物が二つあったので、やむを得ず佐藤はそのどちらにも毒物を入れておいたのだが、マジックで使われなかったミルク缶から、神津は青酸化合物を発見していた。

 しかし、これも、決定的な証拠とは言えない。その気になれば、中山やその奥さんにだって出来たことだからね。

 三つ目の水谷殺し、これがサブタイトルにもある「遠隔マジック」になっているのだが、佐藤は駅から水谷に電話をして、適当な口実で水谷にある本を取り出させるよう仕向けたのだ。

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 で、本棚の中にはこういう仕掛があって、水谷は知らずに毒物を注射されてしまったのだ。

 これは、見てるだけで痛い映像。こういうのって苦手だ。

 無論、そのままでは装置が見付かってしまうので、事件直後に駆けつけた百合子が騒ぎに紛れて装置を処分していたのだ。

 事件の起きた時、佐藤はこだまの車内でわざと神津たちと会っている。それが一種の心理トリックの作用を果たしていたのだ。ただ、これだって、想像だけで物的証拠は皆無である。

 ちなみに水谷殺しの動機は、水谷に事件の真相を暴かれそうになったからと言うちょっと珍しいもの。

 証拠は一切ないのに、百合子はあっさりと自分たちの罪を認める。佐藤もその点については抗弁せず、自分には動機がないと主張する。だが、神津は、二人の娘を殺して百合子を実彦の庶子として認知させた上で、彼女と結婚し、実彦の財産を得るのが目的だったと喝破する。

 神津「松平家の莫大な財産に目が眩んだのは、あなたです! 百合子さん、あなたは違う、お母さんを不幸にした実の父親への復讐です」

 神津は実彦に視線を転じ、30年前、実彦が佐藤陽子と言う女性と愛し合いながら、政略結婚の為にその女性を捨てたことを話す。

 そこで、ヒロインらしく、百合子が「その先はあたしに話させて!」と、神津を押しのけて目立ちたがる。

 百合子「捨てられた母は、静岡の姉さんを頼って、あたしを産みました。間もなく、母は亡くなりました。あたしは伯母夫婦に何不自由なく育てられ、静岡の高校から、東京の短大へ進みました。それまでのあたしの人生はバラ色でした……」

 だが、百合子は東京で叔父に会う。そう、それが佐藤医師である。二人は叔父と姪の間柄だったのだ。
 (結婚はあくまで財産を相続する為の偽装)

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 百合子「ある日、叔父は私の出生の秘密を打ち明けました。私の父親がそこにいる松平実彦であることを!」

 犯人の癖に、金田一少年みたいなポーズを取る百合子さん。素敵です。

 だが、百合子はここで、叔父から、母親が悲しみのあまり自殺したのだと嘘を吹き込まれていたことを知らされる。確かに百合子の母親は百合子を産んですぐ亡くなっているのだが、死因はあくまで病死であった。佐藤は、百合子に嘘を言ってまで、実彦への憎しみをたきつけ、犯罪の片棒を担がせたのだ。

 ka9
 神津「佐藤さん、あなたの目的は松平家の莫大な財産を奪うことだった。恨みを晴らすだけなら、滋子さんや佳子さんまで殺す必要はなかった筈です。あなたは綿密な計算を立てて、殺人列車のレールを引いた」

 神津は、佐藤が懸命に実彦の治療に当たっていたのは、二人の娘を殺す前に死なれては困るからだったとも指摘する。

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 佐藤「この死に損ない、もう半年も前に死んでる筈だったんだ。俺が息の根を止めてやる!」

 切羽詰って、頭がおかしくなったのか、警察がいるのにいきなり実彦を絞め殺そうとするアグレッシブ佐藤。
 その場で松下警部に逮捕されてしまう。

 今回、物的証拠はゼロなんだから、しらばっくれてりゃよかったのにね。まあ、共犯者の百合子が観念しちゃってるから、どうせダメだけど。
 だが、その一瞬の騒ぎの中、百合子は指輪に仕込んでいた毒を呷る。

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 神津「百合子さん!」
 百合子「……ごめんなさい……あたし……神津先生……」

 百合子は神津に抱かれながら息絶える。

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 ラスト、小さな灯台に向かって歩きながら、神津と研三の会話。
 研三「ねえ先輩、百合子さんは最後に何が言いたかったんでしょうねえ」
 神津「ロマンティックじゃないなぁ、研三君も。人生には謎のまま取っておいた方が良いこともある。人生はマジックじゃないんだから。マジックはマジシャンの手に、神のものは神の手に、だよ

 そこへ神津の妹の信子が賑やかに登場し、研三と二人で遊びに行く。
 ひとり残った神津は、百合子の面影を胸に、いつまでも海を見ているのだった……。

 今回も、ごく普通の2時間サスペンスと言う感じだったが、出来は悪くない。何より、出てくる女優さんがみんな綺麗と言うのが嬉しい管理人でありました。


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Author:zura1980
70~80年代の特撮、80年代のドラマを中心に紹介しています。

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