「花のあすか組！」第9話

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　第9話「はじめての涙」（1988年6月13日）
　今回から、ＯＰタイトルが変わり、ＥＤ曲も「Get a Chance!」から「BLUE WIND」にチェンジ。ＯＰはともかく、ＥＤは最初の方が良かったなぁ。ただ、「Get～」は引き続きＯＰで流れる。

　前回、あすかの西3区と織田信子の北1区が同盟を結んだ為、西区のスケバンたちの中にも全中裏に対抗できるかもしれないと考えるものが現れる。しかし、

　
　そんな彼らを新たな刺客「蝶」が襲い、ズタボロにする。
　「蝶」は最初の十人衆の名簿には出てこないのだが、最近「蘭塾」から昇格したキャラなのだ。
　演じるのは大寶（おおたから）智子さん。当時、16歳くらいか？

　ミコが、そのことをあすかとはるみに伝えに来る。
　ミコ「全中裏が西区に刺客を送り込んだ。問答無用で西区のスケバンたちを傷付けている……ありゃ狂犬だぜ」
　はるみ「折角盛り上がった西区と北区の連合の機運に水を差されてしまいます」
　そこで、三人は西区のスケバンたちに改めて檄を飛ばすことにする。

　全中裏本部。
　それまで西区攻略を任されていた「風林火山」の風がひばり様のところへ来て、抗議する。
　風「ひばり様、何故、蝶を？　西区には我々風林火山が！」
　春日「ぶぅれいものぉ！　あすかひとりを始末できずに大口を叩くな！」
　風「我らには我らのやり方がございます。たとえ学生達を恐怖で支配しても、西区の友達たちの心は離れてしまいます！」
　だが春日はムチで風を打って、「さがれさがれ！」と威丈高に追い立てる。

　
　ミコ「よぉし、肝っ玉縮み上がってる西区の連中のケツ叩いてやるぜ！」
　自転車を漕いで意気揚々と集会場所へ向かうミコ。風圧で胸の形が浮き上がってるのが良いですね！

　しかし、集会場所である神社の境内に来るが、誰もいない。
　ミコ「おかしいなぁ、ちゃんと伝言回しといた筈なのに……」
　ミコは、地面に仲間の武器が落ちているのを見て、異変に気付く。スケバンたちは既に刺客にやられてしまったらしい。

　
　そのミコも、蝶によって一方的に攻められ、体じゅう傷だらけになってしまう。
　トドメを刺そうとする蝶を邪魔したのは、意外にもあすかではなく、全中裏の風であった。
　風「変わったな、お前は」
　蝶「今まであなたは私を振り返って見ていた。今は私の背中を見ている……」
　蝶と風は、昔からの知り合いらしい。蝶は一旦退く。

　
　重傷を負ったミコは、風の手で泰山学園の会議室へ運ばれる。
　あすか「ミコ！」
　ミコ「そんな大声出さなくても聞こえるよ。……笑っちゃうよな、みんなのケツ叩くつもりが、自分のケツ、切られてやんの……」

　あすかは、付き添って来た風に向かって言う。
　
　「あたいたちがやってることは所詮ゴッコだぜ、ゴッコに命張っちゃあ、シャレになんねえ！」

　お前が言うな、と思うのだが……。
　第1話から、人が死んでるしなぁ。

　対する風も、「ゲームにルールがあることは分かっている」と醒めた返事。
　しかし、あくまでマジで陣取り合戦をするから面白いのであって、互いにゲームだと割り切ってやってたんじゃあ、何の魅力もないではないか。

　風は、今度の件は自分に任せて欲しい、あすかに手を引いてくれと頼む。あすかが理由を問うと、
　風「（刺客は）風祭しずか、鈴の音を愛する優しい少女だった。私の……妹だ。身内の始末は私がつける」
　涙を流しながら答えるのだった。

　
　ミコはそのまま入院となる。
　今回はかなりの重傷で、軽口を叩く元気もない。

　……なんでこれで警察沙汰にならないのだ？
　ま、それを言っちゃあ、だけど。

　
　風は、命令に背いて妹のところへ行こうとするが、橋の真ん中で「風林火山」の他の三人に阻まれる。
　火「見損なったぞ、風」
　林「我々4人、ひばり様の理想の為に働くと誓ったじゃないか」
　風「社会から落ちこぼれた私にひばり様はもう一度チャンスを与えてくれた。でも、ひばり様は変わってしまった。今のひばり様に正義はあるか？　心はあるか？　志なき戦いはただの暴力だ。私たちは殺し屋ではない。私の妹は、心のないただの殺し屋にさせられてしまった……」
　風の言葉に、三人もシュンとなる。

　一方、あすかは蝶から挑戦状を受け、とある廃墟へ向かう。
　
　蝶、一旦は足元のロープをあすかに引っ張られて、無様にコケてしまうが、「いたーい、たすけてー」とみえみえの芝居で相手を油断させると、扇から金色の紙吹雪をまいて、あすかを気絶させる。
　虚を衝いたとは言え、あすかを完全に倒したのは彼女が初めてではないだろうか？

　
　春日の声にあすかが目を覚ますと、あすかはひばり様の居室で、寝台に縛り付けられていた。　

　ひばり「私とあなたは何処か似ています。（中略）人を信じているのですね。人を人として生かす為には秩序が要るのです。選ばれた人間による組織を作らねばなりません」
　あすか「誰が選ぶんだよ。お前は神様のつもりかぁー」
　ひばり「美しい秩序こそ神！」

　
　春日は、ぶっとい注射をあすかに差そうとする。彼らはあすかを矯正施設（？）「蘭塾」へ送り込もうとしているのだ。威勢の良かったあすかも、さすがにビビる。

　
　だが、そこへ颯爽と現れてあすかを救ったのは敵の筈の「風林火山」であった。
　春日「お前たち、何のつもりだ！」
　風「裏切御免！　今日限りひばり様と縁を切る！」
　それまでの流れからして、彼らがいずれ寝返るのは予測できたが、こんなに早いタイミングで行われるとは意外だった。

　
　春日「んなぁにぃー！」
　最近、春日の言動を見てると、なんか笑っちゃう管理人であった。

　ひばり様と春日はさっさと奥の出口から逃亡する。山がそのドアを押し開けると、
　
　そこはまた最初の廃墟だった。この辺、どうなっているのか良く分からない。

　最後は当然、風と蝶の戦い。

　風「何故、私と同じ道を選んだ？」
　蝶「私はお姉ちゃんを越える。いえ、既に越えているわ」
　風「何を言う、私たちこの世でたった二人の姉妹じゃないか！」
　風は思い出の鈴を出して見せる。幼い頃の美しい思い出が回想されるが、蝶は依然、戦いをやめない。

　蝶「私は蝶、蝶は風を憎み、いつか風を負かそうと、じっと花の陰で息を潜めていた。裏切り者を斬って、私が十人衆になる！」
　蝶は扇からナイフを飛び出させ、やる気マンマンで姉に向かってくる。

　風「しずか、やめろ！」
　風は相手の武器を払い飛ばすと、腹に一撃を見舞う。

　
　風「しずか！」
　蝶「あたし、お姉ちゃんみたいになりたかった……」

　
　ガクッ

　そんなんで死ぬなよ……。
　ま、本当に絶命したのか、単に気絶しただけなのかは不明なのだが。

　風は妹の体を抱きかかえ、他の三人と共に去って行く。

　つづく。