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アニメ「はいからさんが通る」を鑑賞 第1話



 第1話「紅緒は花の十七才」(作画監督・田代和男)
 
 「はいからさんが通る」は、言わずと知れた、大和和紀大先生の同名傑作コミックをアニメ化したもの。
 1978~79年放送で、全42話。
 
 管理人が初めて見たのは、10年くらい前か? 原作は全く読んでなかったが、その面白さにすっかりはまってしまった(その後、原作も買い揃えて愛読している)。
 その頃から、この作品についてホームページを作って語り倒したいと言う願望を抱いていたのだが、種々の理由(註1)で、延び延び延び延び延び延び延び延び延びになってしまい、今日に至る。

 書く前に、しっかり資料を集めて研究しようと考えたのが悪かったのだろう。大正時代関連の書籍を買い漁っている内に、月日が無為に流れてしまった。こういうのは、思い立ったらすぐやらなきゃダメだね。

 また、「はいからさんが通る」と言う作品そのものに対する評価とは別に、毎回ばらつきのある作画にも着目し、とりわけ、タマプロの西城隆詞・水村十司両氏の担当された素晴らしいアニメーションへの再評価を試みたいと言う色気もあったのだが……。

 さすがにもう、ホームページで学術的に書くと言う野心は捨て(と言うか、そもそも書けねえし)、せめてブログで気楽に語ろうと思っていたのだが、これがまた種々の事情(註2)からいつまで経っても果たせずにいた。

 しかし、いい加減、手を付けておかないと、死ぬまで実現しそうもないので、見切り発車的ながら、本日ただいまより開始したい。ま、例によって、画像を使った簡単なレビューである。

 素材は、だいぶ前にファミリー劇場で放送されたもの。

 OPは、大和和紀大先生の原画を使ったシンプルなもの。はいはいはい、はいからさんが通る~♪のフレーズでお馴染み、関田昇介さんの歌う「はいからさんが通る」がとてもよく作品に合っている。

 舞台は大正7年の東京。

 陸軍の花村少佐(永井一郎)の屋敷で、一人娘の紅緒(横沢啓子)が、隣家の美少年・蘭丸(杉山佳寿子)を竹刀でしごいているところから幕開け。

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 頭を思い切り竹刀でどつかれた蘭丸、「ひどいや紅緒さん、あんなに思い切り叩くなんて~」とぼやく。何気ない台詞だが、叩かされた直後ならば、「あんなに」より「こんなに」と言うほうが適当ではないかと考えた管理人、原作を読んで見ると、その謎が解けた。

 このシーンは原作にあるのだが、蘭丸の台詞は、叩かれたコマのページをめくった次のページにあるのだ。だから、「こんなに」ではなく、「あんなに」となっていて、アニメはそれをそのまま写してしまった為、違和感(と言うほどでもないけどね)が生ずる結果になってしまったのではないかと……と言う考察を書きたくて、この10年の間、ネタを暖め続けてきた管理人でありました。ペンギンか俺は?

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 おてんばの紅緒はなおも蘭丸を追い掛け回す。蘭丸は歌舞伎役者を目指しているだけあり、紅緒以上に女っぽいのだ。
 見兼ねた花村少佐がやめさせようとするが、
 花村「蘭丸君に剣術なんぞ必要ないと思うがね」
 蘭丸「そ、そうなの小父サマ」
 紅緒「おだまんなさい!」
 蘭丸を一喝する紅緒。これは実際に聞いてもらわないと分からないが、横沢啓子さん独特の台詞がまた絶品なのだ。管理人がこの作品に惚れたのも、彼女の存在がかなり大きい。横沢さんは、他に(前の)ドラミちゃんや、「エスパー魔美」の魔美、「パトレイバー」の熊耳さんなどを演じておられるベテランである。当時はまだ若手だけど、その演技力は既に完成されている。

 紅緒「お父様、蘭丸はあたしと同じく、幼い頃に母様を亡くしたでしょう。そのせいか意気地なしで……わたくし、蘭丸を強い子に育てるんだって、決心したんですもの」
 だが、女学校に行く時間が迫ったので、蘭丸はやっと稽古から解放される。

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 紅緒、ハイカラの象徴・自転車に乗って、咲き零れる桜並木の下を颯爽と駆け抜ける。
 紅緒(陽炎ゆらゆら小石川、ハーフブーツに海老茶の袴、頭のリボンもひらひらと~これで決まりの女学生、あたし花の17才)

 そんな紅緒の目の前に一匹の毛虫が垂れ下がり、思わず派手に転んでしまう。

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 と、それを見ていた若い軍人に死ぬほど笑われる。第一印象は最悪だが、後に紅緒にとって運命の人になる伊集院忍少尉である。声はガッチャマンでお馴染み、森功至さん。そう言えば、作者の大和和紀さんは、「ガッチャマン」のファンだったよなぁ。

 紅緒は思わずその顔に平手打ち。
 紅緒「な、なによ、婦人を笑うなんて! あなたのような人がいるから日本女性の地位は向上しないのだわ! 失礼!」  
 忍「なんだ、あのハイカラ女学生? いやだいやだ」

 紅緒は半壊の自転車を漕いで、「跡無女学館」に到着。

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 紅緒は劣等生で、早速課題を忘れて廊下に立たされる。
 ま、課題と言っても、当時の女学校のことなので、「浴衣」であるが……。

 だが、親友のタマキ(吉田理保子)も、自分も宿題を忘れたと嘘を言い、また、「良妻賢母」を唱える教師に「私たちが殿方に選ばれるのではなく、私たちが殿方を選ぶのです」などと、当時の進歩思想を堂々と訴えて、同じく廊下に立たされる。タマキ(環)は北小路と言う華族の娘なのだ。
 タマキ「だってつまらないのよあの先生、何かと言うと大日本帝国の母だし……あたしは親の決めた縁談で見も知らない男のところへ嫁ぐなんて真っ平」
 意気投合した二人は、結婚相手は自分で選ぼうと、固く約束する。なんぞはからん、その紅緒が親の決めた相手と結婚させられることになるとは……。

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 帰宅した紅緒、踊りの稽古をしている蘭丸を誘って外へ遊びに行く。蘭丸は喜んで応じるが、紅緒が凧揚げをしたいと言うと、目を丸くする。
 蘭丸「凧揚げ? 凧揚げって男の子の遊びじゃないの」
 紅緒「あんた男の子でしょ? わーっ上がった上がったぁ~」

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 蘭丸(無邪気だなぁ、あの頃とちっとも変わらないや)
 無邪気に凧を揚げる紅緒を見て、蘭丸は幼い頃の紅緒を思い浮かべる。蘭丸は密かに紅緒のことを愛していたのだ。
 
 と、その凧が木に引っ掛かり、男勝りの紅緒は自ら木に登って凧を取ろうとする。しかし、バランスを崩して下に落ちそうになるが、ちょうど通りかかった「笑い上戸」、すなわち伊集院忍少尉に助けられる。

 忍「全く君って人は……ハイカラさんは木まで登るのか」
 紅緒「よ、余計なお世話ですよ。何よ、変なときばっか現れて……わ、笑いたきゃ笑えばいいでしょ!」

 ところが意外にも、忍は花村家に向かう途上だったのだ。彼は花村少佐に招かれたらしい。

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 忍「さすがに少佐殿ご自慢のお嬢様ですね。亡くなられた奥様に似て、美しくて淑やかだという」
 べた褒めする忍だったが、その視線は紅緒でなく、蘭丸に向いていた。
 蘭丸「あーらっ」
 花村「それは隣の蘭丸君」
 忍「えーっ、すると、これは男? そしてこれが……?」
 ますます不愉快になる紅緒。

 紅緒は父親から、今日だけは女らしくしてくれと頼まれる。父親が何か隠している様子に、紅緒は不審を抱く。

 もっとも、そう言われて大人しくしている紅緒ではなく、忍が庭で寝ているところを竹刀で不意打ちする。だが、忍は咄嗟にそれを受け止め、紅緒と剣の勝負をする。

 騒ぎに気付いた花村は、思わず「やめい、その人は、お前の許婚、婚約者なんだぞーっ」と叫ぶ。

 紅緒「えっ、こ、こ、こ……」
 花村「婚約者だ!」
 紅緒「なんですって!」

 忍、唖然とする紅緒の脳天を「隙あり一本」と竹刀で撃つのだった。

 「隙あり」じゃねえよ……。

 ちなみに、今回の作画、可もなく不可もなし、と言ったところか。

                                 (C)大和和紀・講談社・日本アニメーション


 (註1……面倒臭かったから)
 (註2……面倒臭かったから)

                             


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