続きです。
麻生は再び新妻署に行き、桂をつかまえて話を聞こうとする。桂は相変わらず捜査状況は話せないと突っぱねるが、それでも別れ際に麻生が知りたかったこと(森岡邸の張り込み中、誰もポストに近付いていない)を教えてくれるのだった。

なんだかんだ言って熱い友情で結ばれた二人。
麻生「ありがとう!」
麻生は去って行く桂に深々と頭を下げるのだった。

ダーツたちは、拳銃の密輸が関わっていると聞き、この事件から手を引くべきだと声を揃える。
だが、麻生は由美子の誘拐は由美子と吉田による偽装(狂言)だと言う自分の推理を披露する。
麻生「いいか、脅迫状は2通とも森岡邸のポストに入れられた。ところが、外部の者がこのポストに近付いた形跡はないんだ。それから2度目の脅迫状の時、俺は森岡邸に行った。そしたら、返した筈の犬がいない。そしてそのことを聞いた途端に、吉田の様子が変わった……お手伝いさん、娘の遊び友達に確かめた。吉田と娘は恋仲だ」 ダーツ「じゃあ、娘と吉田がつるんで、親父から5000万巻き上げようって魂胆?」
ジュン「犬もこっそり彼女のところへ持っていった!」
ナビ「憎いあんちきしょう!」
麻生はしかし、偽装だろうが何だろうが娘を見付ければ報酬は貰えると、捜索を続行させる。
一方、森岡は、拳銃の取引の際に竜神会から渡される5000万をそのまま身代金として使い、娘を助ける決心をする。そしてその後で警察に自首するとも。

だが、森岡は竜神会事務所から5000万を持って逃げようとして、彼らにとっつかまる。
誘拐のことを聞いた組の幹部はパフェを食べながら、
A「同じ過ぎる。時間は4時、5000万、まるで取引に会わせたように計画されてるじゃねえか。今度の取引を知ってるのは……」
B「俺とお前」
A「それに森岡と、秘書の吉田だ」

娘を捜して街中を駆けずり回っているダーツとナビ。
ナビ「あと2時間しかねえんだぞ」
ダーツ「これで娘が見付からなかったらどうなんのよ?」
ナビ「探偵料はパーだよ。あれ……俺、犬見つけたんだよなぁ。5000円くれ」
ナビの出した手の平にタバコの灰を落とすダーツ。
ナビ「ああちーっ! 良いか、賭けは俺にとっちゃあ人生そのものなんだぞ……」
などとやっていると、その由美子が彼らの横を通り過ぎる。

二人は彼女を確保して、事情を聞く。
由美子は父親と竜神会の関係を切らせようと、今回の狂言誘拐を思い付いたと言う。
由美子「親父があたしを選ぶか、竜神会を選ぶか、それが知りたかったわけ」 柴田恭兵さんと浅野温子さん、後に「あぶない刑事」で共演するのは言うまでもない。柴田さんのキャラは、どっちもほぼ同じだ。
二人は、由美子と吉田が一緒に借りていると言うマンションへ行くが、そこには竜神会が待ち構えていた。彼らはダーツたちを拘束し、娘を人質に森岡に約束どおり拳銃の取引をさせようとする。

麻生は、ひとりでそのマンションへ乗り込み、見張りの組員たちをぶちのめす。
由美子に嘆願され、麻生たちはそのまま取引現場へ急行する。麻生はその途中、彼のプランを説明する。
ナビ「取引現場で金かっぱらう?」
麻生「そうだ」
ダーツ「正気かよ、いくら金に困ってるからって」
ナビ「泥棒はよくねえよ」
麻生「泥棒じゃない。取引のどさくさに紛れて5000万を拾う! そして警察に届ける。持ち主が出頭すれば1割の500万が手に入る。しかしやばい金だ。絶対に出頭してこない」 ナビ「半年後には丸儲け!」
麻生「その上取引をぶっ壊して、あの子の親父さんを救える」
と言う、いつもながらのセコい作戦。
警察に先んじて、竜神会の取引現場に着いた麻生たち。
麻生「どうやら間に合った。手筈は分かってんな?」
ダーツ&ナビ&ジュン「はい、運が悪けりゃ死ぬだけさ!」
麻生「運が良ければ?」
ダーツ&ナビ&ジュン「5000万!」
後は例によってアクションシーン。ダーツとナビがビルの外から窓を突き破って部屋に飛び込み、麻生のブーメランが空を舞い、ナビの石頭が炸裂する。
そして計画通り、5000万の入ったケースをビルの屋上から下で待ち構えているジュンに落とす。作戦成功と思われたが……もう一歩のところで、駆けつけた桂に横取りされてしまう。彼らのこの手の計画は大抵、警察に邪魔されて失敗するようになっている。

今回、犬の捜索の報酬35万はゲットしたものの、ホテルの弁償代などの経費が36万円2000円かかり、結局12000円の赤字となってしまう。
麻生「しかしな、金にはならなかったが、あの娘さんに感謝された。これで森岡さんもやり直せるだろう」
ユーコ「やっぱり天使なのねえ皆さん!」
最後はいつものポーズを決めて
「俺たちは天使だ!」で、幕。
今回も、エピソードとしては平凡な内容であった。