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「電子戦隊デンジマン」 第22話「超時間ふしぎ体験」(リライト版)



 第22話「超時間ふしぎ体験」(1980年6月28日)

 ※この記事は2014年4月6日に公開した記事を全面的に書き直したものです。

 冒頭、とある刑務所にベーダー怪人タイムラーおよびミラーとケラーが侵入し、死刑囚・黒鬼健造の独房に向かうのだが、

 
 さすがにこれはないんじゃない?

 アパートじゃないんだから……

 
 ミラー「死刑囚の黒鬼だな」
 黒鬼「ふは、ふは」
 ミラー「一緒に来るんだ、助けてやる」
 黒鬼「うわーっ、ああっ……」

 凶悪犯罪者の割りに肝っ玉の小さな黒鬼を演じるのは、覚醒前のガイラー将軍。

 タイトル表示後、黒鬼の脱獄を知らせるテレビニュースを見ている5人。

 赤城「警戒厳重な刑務所に軽々と入り込んでる」
 緑川「そう、鮮やか過ぎるな」
 赤城「ベーダーと凶悪犯が手を握ったとしたら……」
 緑川「調べてみよう」

 と言う訳で、緑川は「東(部)刑務所」の前で張り込みをするのだが、別の刑務所の前で張り込んでいる筈の他のメンバーの様子が一切映し出されないのは、いささか物足りない。

 果たして、深夜、一台のトラックが刑務所の塀のそばに停まると、死刑囚・中谷を連れたケラーとミラーが塀から飛び降り、トラックの前に着地する。

 緑川「逃がさんぞ、デンジスパーク!!」

 緑川、デンジマンに変身すると走ってトラックを追いかけ、厳重な警戒がされているアジトの中に潜り込む。

 
 中谷「はははは、そりゃありがてえや」
 ケラー&ミラー「はははは……」

 と、鼠色の囚人服と、給食当番がかぶるような白いキャップを付けた中谷が小部屋から出て来て、およそ凶悪犯とは思えない気さくな調子で、ケラーたちと談笑しながら階段を降りていくのが見えた。

 緑川、小部屋に吊るしてあった囚人服を拝借して、何食わぬ顔で死刑囚たちの宴会場に入り込む。

 その光景を目の当たりにした緑川は、

 
 緑川(豪華なメニューだ……)

 普段よほど貧しい食生活を送っているのか、変なところに着目するのだった。

 あと、実はそんなに豪華じゃないです。

 ほとんどフルーツだし。

 黒鬼、馴れ馴れしく緑川の肩に腕を回しながら、

 
 黒鬼「よおお、お前新入りか、何処のムショだ」
 緑川「西だよ」
 黒鬼「俺も西だよ、見かけなかったな、お前」
 緑川「特別監房だったからな」
 黒鬼「まあいいや、飲め、飲め」

 緑川、適当に誤魔化すが、凶悪犯なのにお人好しの黒鬼は全く怪しまず、酒を勧める。

 しかし、そもそも死刑囚って他の囚人と顔を合わせることってあるんだろうか?

 二人のやりとりをじっと見ていた中谷は、

 
 中谷「おい、おめえ、どっかで見た顔だな」
 緑川「そうかい……」

 中谷を演じるのは、毎度お馴染み団巌さん。

 それにしても、死刑囚がこれだけいるのに、食って飲むだけと言うのは、あまりに大人し過ぎるような気がする。

 普通は、女寄越せ!! だよね。

 なので、ケラーやミラーでも良いが、出来れば別の女優さんが、それっぽい恰好で彼らの接待をするシーンなんてのが見たかった。

 それはともかく緑川、宴会場を出てアジトの中を探索していたが、奇妙な音の聞こえてくるトンネルを見つけ、入り込む。

 
 緑川(なんだこりゃ、すげー装置だ)

 トンネルの奥には見たこともないようなハイテク装置があった。

 ま、実際は、デンジランドのセットを流用してるので、見たことはある筈なんだけどね。

 その頃、しきりと考え込んでいた中谷は、遂にある重要なことを思い出す。

 
 中谷「ツタヤで借りたDVD返すの忘れてたっ!!」

 じゃなくて、

 中谷「思い出した、奴は刑事だ!!」

 そう、中谷は刑事時代の緑川のことを知っていたのだ。

 ただ、そのことが、ストーリーにはあんまり関与してないように見えるのが悲しい。

 ま、この後、中谷がケラーたちにチクッたのだろうが、次のシーンではハイテク機器を調べていた緑川の前にタイムラー、ケラー、ミラーがあらわれて緑川を4年前の世界にタイムスリップさせているので、ケラーたちが中谷の密告とは関係なく緑川を発見したように見えるのだ。

 それはともかく、4年前に送り戻された緑川、スーツ姿で車のそばに立ち、ぷかぷか煙草を吸っていたが、

 
 父親「達也」
 緑川「父さん!!」

 そこに、第1話でベーダーに殺された筈の父親が立っていた。

 ちなみに緑川、4年前の記憶に戻ってる筈なのに、父親の顔を見て驚いているのは変である。

 あと、現在の緑川が4年前に戻ったのなら、4年前の緑川は何処行っちゃったのってことにならないか?

 父親「ホシが帰ってきた、踏み込むぞ」
 緑川「えっ」

 父親は中谷のアパートに踏み込み、中谷は窓から外へ逃げるが、それを逮捕したのが緑川だったのである。

 
 ヘドラー「緑川達也はただいま4年前にタイムスリップしております」

 その様子は、ベーダー城のモニターにも映し出されていた。

 しかし、これ、ドラえもんもびっくりの物凄いハイテクメカだよね。

 過去の世界の映像をリアルタイムで見れるんだから……

 
 ヘドラー「いかがなさいます」
 ヘドリアン「では、デンジマンになる前の緑川に戻ったというんだな」
 ヘドラー「さようで、緑川は4年前の緑川なのです」
 ヘドリアン「4年前の意識のまま現代に連れ戻せるのか」
 ヘドラー「タイムラーは時間を自由に操れる怪物です。過去、現在、未来、自由自在です」
 ヘドリアン「早くデンジマンに会わせてやりたい、仲間たちの狼狽する姿が目に浮かぶようじゃ」

 このまま放置しておけば、ベーダーの大勝利だったと思うのだが、例によって例のごとく、デンジマンを倒すことより、彼らを苦しめることを優先させてしまったヘドリアン、わざわざ緑川を現代に連れ戻させる。

 ……

 しかし、良く考えたら、このまま放置しても、結局過去の出来事が繰り返されて、緑川はデンジマンになってしまうのだから、結局同じことになるのかな?

 ま、いわゆるタイムパラドックスと言う奴だが、そこに拘っていると話が進まないので見て見ぬふりをしよう。

 タイムラー、4年前の緑川に「現在ビーム」を浴びせ、現在に呼び戻す。

 緑川、高層ビルに囲まれた道路上に立っている自分に気付き、突っ込んで来た車を空中回転してかわす。

 たまたま近くにあきらと黄山がいて、慌てて緑川に駆け寄る。

 
 あきら「あら、グリーンじゃないの、こんなところで何してるの」
 黄山「連絡ぐらいしろよな」
 緑川「誰だ、君たちは……」

 だが、緑川はあきらたちのことをすっかり忘れていた。

 まあ、忘れたと言うより、まだ知らないと言うべきか。

 それにしても、現代の緑川が4年前にタイムスリップされて戻ってきたら、記憶も4年前のものに戻っているというのは、なんか釈然としないなぁ。

 
 青梅「おい、俺を知らんのか」
 緑川「……」
 赤城「三太はどうだ」
 三太「緑川コーチぃ。俺だよ、俺」
 ゆみ子「私のことも忘れたの?」

 二人は緑川をアスレチッククラブに連れて行き、他の仲間や子供たちに引き合わせるが、緑川は何の反応も示さない。

 青梅「記憶喪失だな、こりゃ」
 赤城「うむ」

 と、赤城たちに呼ばれたのだろう、千恵子巡査があらわれる。

 緑川「よう、チーコ!!」

 緑川、「地獄に仏」と言う感じで千恵子のそばに行き、

 
 緑川「助けてくれよ、この連中、おかしなことばかり言うんだ」
 千恵子「この連中って……あなたの仲間じゃない」
 緑川「俺はたった今指名手配中の殺人犯を捕まえたんだ、チーコだって喜んでくれたじゃないか」
 千恵子「確かにあなたは殺人犯を捕まえて、初手柄だったわ」
 緑川「そうだろう」
 千恵子「ただし、それは4年前の出来事、なに寝惚けてんのよ~」

 千恵子、そう言って緑川の頭を小突く。

 このように、緑川が千恵子のことだけは知っていると言うのが、緑川の記憶が4年前に戻っているという設定に、大きな説得力を持たせている。

 一方、ベーダーは死刑囚・郷原の誘拐を(警察に?)予告してくる。

 
 郷原(もやしが取れねえ……)

 ここ数年、歯に挟まったもやしをなんとかして取ってやろうと夢中になっている郷原。

 もやしが挟まったままで死刑にされるのだけは勘弁して欲しいからである。

 嘘はさておき、グリーンを欠くデンジマンは4人でその護衛に当たるが、タイムラーの時間操作能力に翻弄され、あえなく郷原を奪取される。

 4人は傷だらけになってデンジランドに引き揚げてくる。

 赤城「緑川はデンジマンであることを忘れてしまった、それを知ってベーダーはわざと予告して来たんだ」
 青梅「ちくしょう、今度会ったらタダじゃ済まさんぞ」
 赤城「死刑囚、タイムマシン……ベーダーは一体何を企んでる? 早く緑川の記憶を取り戻さねば」

 CM後、広大な墓地の一角に立ち、信じられないものを見るような目で、父親の真新しい墓標を見詰めている緑川の姿があった。

 
 緑川「父さんが死んだ……まさか、こりゃ夢だ、俺はなんか悪い夢を見てるんだ」
 あきら「夢なんかじゃないわ」

 背後から、あきらの声が飛んでくる。

 
 赤城「緑川、目を覚ましてくれ」
 緑川「俺につきまとうのはやめてくれっ」

 赤城、緑川の肩を持って訴えるのだが、直前にあきらが「夢じゃない」と言ってるだけに、「目を覚ましてくれ」と言う台詞に、若干の違和感あり。

 で、今回のキモは、どうやって緑川の記憶を取り戻させるのか……にあると思う、いや、そうあるべきだと思うのだが、

 黄山「アイシーに会わせたらどうだ」
 赤城「アイシー?」

 困ったときのアイシー頼み、赤城たちは緑川を無理やりデンジランドに連れて行き、アイシーと対面させることにする。

 他の記事でも書いたが、デンジマン、いささかアイシーに頼り過ぎの感じで、アイシーがいないと何も出来ないのかとたまに思ってしまう。

 特に「デンジマン」はみんな大人なんだから、アイシーは最初に赤城たちをデンジマンにするだけで役目を終え、再び眠りに就くべきだったのではあるまいか。

 情報が欲しければ、デンジランドのスーパーコンピューターを使えば済むことだしね。

 それはともかく、

 
 赤城「緑川、見ろ!!」

 
 赤城の指差した方を見ると、どう見ても何も考えてないワンコがのへっとした顔で座っていた。

 
 赤城「思い出したか?」
 緑川「思い出した」
 赤城「嘘つけ!!!」

 赤城の暑苦しさに面倒臭くなったのか、テキトーに応える緑川であったが、嘘である。

 赤城「思い出したか? アイシー、頼むぞ。緑川をもう一度デンジマンに」
 緑川「……」

 で、怪訝な顔でアイシーの目を見ているうちに、緑川の脳裏に、父親をベーダーに殺された時の様子や、アイシーに導かれてデンジランドにやってきたときの光景が浮かび上がる。

 ついで、仲間たちの顔をまじまじと見ているうちに、

 
 青梅「緑川」
 緑川「ブルー、アンパン好きの大五郎!!」
 青梅「アンパン!!」

 あっさり記憶が戻ってしまう!!

 うーん、さすがにこれは手抜きだよなぁ。

 それに、緑川はタイムラーの力で4年前に戻っているのだから、いくらアイシーが超能力を使ったところで、記憶を取り戻させるのは不可能ではあるまいか。

 これでは、単に催眠術や、頭部の物理的ショックで記憶が逆行していたように見えてしまう。

 まあ、戻っちゃったものは仕方ないので、話を続けよう。

 
 緑川「黄山!!」
 黄山「良かった!!」

 
 緑川「あきら!!」
 あきら「グリーン!!」

 緑川、感激の面持ちでひとりひとりの顔と名前を確かめるが、

 
 緑川「えーっと……」
 赤城「そう来ると思ったよ!!」

 ま、管理人のお約束ギャグですからねえ……そりゃ予想もつきますよね。

 正解は、

 緑川「赤城!!」
 赤城「緑川!!」

 そう言えば、あきらだけはグリーンって呼んでるんだけど、「緑川」では乱暴だし、「緑川さん」ではよそよそしいし、「達也」では馴れ馴れしいので、こう呼ばせてるんだろうな。

 あきらがもっと年下なら、「緑川さん」だったかな?

 グリーンだけじゃなく、他の仲間も色で呼んでるんだよね、そう言えば。

 
 赤城「緑川が戻って来たぞ!!」

 喜びに息を弾ませながら、がっちり手を重ね合わせる5人。

 この赤城の台詞、なんか好きである。

 一方、タイムラーたちは、デンジマンが万全でないのを良いことに、引き続き、死刑囚の回収を行っていた。

 終盤近くまで、「悪の組織」の作戦の目的が視聴者にも示されないのは珍しい。

 
 タイムラー「時間よ止まれ!!」

 タイムラー、警察署一帯の時間を止めると、

 
 人形のように動かなくなった警官から、ゆうゆう、死刑囚を掻っ攫う。

 このシチュエーションが、日本エロビデオ史上に燦然と輝く傑作「時間が停まる腕時計」シリーズ(註1)の元ネタであると言うのは、いま管理人が考えた嘘である。

 ちなみにここ、何故かケラーやミラーの時間まで停まっているように見えて、その辺がちょっと引っ掛かる。

 註1……このシーンを例に分かりやすく説明すると、タイムラーが動けないミラーやケラーに、日頃やりたいと思っている色んなことをやり倒すと言うものである。

 デンジマンは、敵の狙いを探る為、緑川がまだ記憶が戻ってないふりをして、例のアジトを正面から訪れ、

 
 緑川「森に住む独りぼっちの熊のように俺は旅に出ることにしたよ~♪」

 得意の弾き語りでしょうもない歌を歌って、わざと敵に発見されるように仕向ける。

 どうでもいいが、この後の歌詞、

 「心優しい友に囲まれて~」

 と言うのが、なんか「独りぼっちの熊」と矛盾してるような……

 
 さて、目論見どおり、見張りの戦闘員がすぐやってきて、緑川をアジトの中に連れて行く。

 しかし、下手すりゃこのまま射殺されていた可能性もあるわけで、あまりに危険度の高い作戦だったといわざるを得ない。

 ケラー「緑川はデンジマンになる前のただの男に戻っているわ」
 ミラー「広間に放り込み、生涯奴隷として使うのだ」

 モニターでその様子を見ていたケラーたちは、緑川の演技にまんまと騙され、死刑囚たちのいる広間に軟禁する。

 
 すっかり馬鹿になっちゃったように、楽しそうにギターを弾く緑川と、それにあわせて輪になって踊る死刑囚たち。

 たいへん心温まるシーンだが、いくつか疑問点がある。

 ひとつ、緑川は別に記憶が全部飛んだわけではなく、刑事時代の緑川に戻っただけなのに、それが死刑囚と一緒に楽しく歌い踊るなどと言うことはありえない。

 ふたつ、その場には中谷もいる筈なのに、緑川に対する恨みを晴らそうとしない。

 ケラー「なんと哀れ、デンジマンがベーダー基地で弾き語り」
 ミラー「どうなるかも知らないで」

 だが、ケラーとミラーは疑問に思わなかったようで、緑川の道化ぶりを見て嘲笑うだけ。

 また、緑川の付けているデンジリングを取り上げようとしないのも、あまりに間が抜けている。

 もっとも、この場合、緑川も、あらかじめリングを抜いて別の場所に隠してから侵入すべきだったろう。

 緑川、再びあのハイテク機器のある部屋に行き、タイムラーの時計の針を動かし、自分を未来の世界へタイムスリップさせる。

 ま、未来と言っても、具体的に何年後のことなのか不明だが、

 
 そこはがらんとした牢獄のような部屋(要するに、さっき宴会していた部屋)で、そこには囚人服を着た、人間ともゴリラともつかない不気味な怪物たちがいて、緑川に群がり襲ってくる。

 一方、現代では、

 ミラー「これは一大事だ、早く奴を連れ戻せ」

 と言うのだが、これも、そのまま放っておいて何の問題もあるまい。

 と言うより、ベーダーのためには是非そうするべきだったのである。

 緑川、ドアを開けて別の部屋に入ると、そこにも、類人猿のようなおぞましい姿となった死刑囚たちがいて、手に手に原始的な武器を持って唸り声を上げながら行進していた。

 ナレ「達也はベーダーの恐るべき原始人部隊計画を見た、それは時間を逆行させるとともに、染色体の構造までも組み替えて、原始人にしてしまう作業であった」

 ……

 はい、さっばり意味が分かりません!!

 死刑囚を原始人にして、それで一体何をするつもりなのか?

 部隊と言うからベーダーの戦力にするつもりらしいが、そんな原始的な武器で、銃を持った警察や軍隊に勝てるとでも思っているのだろうか?

 また、未来世界に、肝心のベーダーたちの姿が見えないのも混乱を招く。

 
 緑川「なんてことだ」

 やがて、緑川の存在に気付いたのか、実は単なる気の良いおっちゃんだった黒鬼や、中谷たちが、変わり果てた姿で緑川に向かってくる。

 
 ミラー「タイムラー、急げ、今だ」
 タイムラー「現在ビーム照射」

 その様子をケラーたちはモニターで見ていたが、原始人に取り囲まれた緑川を現代に呼び戻させる。

 これ、まるっきりベーダーがヒーローの命を救ってるようにしか見えず、どうにも納得できない。

 緑川の記憶が戻っていることは、さっきの緑川の態度で分かってると思うんだけどね。

 ともあれ、緑川、現在時間に戻され、アジトの外に転送される。

 見張りをちょこまかと倒していたが、すぐにケラーたちに見付かり、

 
 ケラー「貴様、よくも騙したな」
 ミラー「見たな、我らが秘密を」
 緑川「見たよ、なんてしょうもないことを考え付くんだ、お前たちはっ!!」
 ケラー「うるさいっ」
 ミラー「私たちだって好きでやってるんじゃないわよっ!!」

 じゃなくて、

 緑川「見たよ、なんて恐ろしいことを考え付くんだ、お前たちはっ!!」

 しかし、ほんと、しょうもない計画だよね。

 そもそも、死刑囚を原始人に作り変えるくらい、タイムラーのタイムトラベル能力を使わずとも可能なのではあるまいか?

 それ以前に、死刑囚を改造して戦闘員や怪人にしたほうが、よほどベーダーの戦力になっただろう。

 緑川、タイムラーにいたぶられて殺されそうになるが、間一髪でレッドたちが助けに来て、緑川もデンジグリーンに変身する。

 それは良いのだが、それを見たケラーの、

 ケラー「どうしてデンジマンに……」

 と言う、中途半端なところで切れている台詞がとても気になる。

 考えられるのは、「どうしてデンジマンに変身できたのか?」、あるいは「どうしてデンジマンにこの場所が分かったのか?」の二つだが、緑川の記憶が戻っていることは彼らも承知している筈なので、変身したことを驚くというのは変だし、最初から芝居だったとすれば仲間のデンジマンが救援にあらわれても驚くには当たらず、どちらの場合も腑に落ちない。

 それとも、ケラーたちは、緑川が刑事としてアジトに潜入したのだと考えたのだろうか?

 それもおよそ考えにくいことだけどね。

 それはともかく、ここからラス殺陣となるが、相変わらずタイムラーの時間操作能力に翻弄されるデンジマン。

 そのいちいちを記すのは面倒なので二つだけ。

 戦闘員が、タイムラーの力でイエローを土砂山に突き落とす。

 

 
 と、右側の戦闘員が、左側の戦闘員に握手を求め、二人が手を握り合って勝利を祝うという、他の番組ではちょっと見たことのない珍シーンが出て来る。

 ちなみにこれ、右側のスーツアクターが、アドリブで握手を求めたようにも見えるんだけど、どうなんだろう?

 
 タイムラー「へへへへ、ううーっ!!」

 ほかは、タイムラーのピンクに対するセクハラくらいだが、中に入ってるのはあくまで男だからね。

 それに、小泉さんも、「あん」とか「いやん」とか色っぽい声を出してくれないので、エレクトには程遠い。

 5人を好き放題にいたぶるタイムラーだったが、どの技も決め手にかけ、最後は「デンジスーパーサイエンス」と言う、デンジシャワーの亜流技を浴びて時間操作能力を封じられたところを、電子稲妻落としを食らい、ジ・エンド。

 こうして要領を得ないベーダーの作戦は頓挫するが、面白いのは、死刑囚たちが刑務所に連れ戻されず、別の時代に転送されたきりになってしまうことである。

 なお、彼らの運命について、ナレーターが「遠い過去の世界にタイムスリップしてしまったに違いない」と軽く片付けているが、凶悪犯を過去の時代に飛ばすのは、いささか問題なのでは?

 つーか、なんで過去限定なの?

 また、肝心のタイムラーが死んだのに、横から飛んできたタイムスリップビームが死刑囚に照射されるのも、非常に納得しがたい。

 ここは普通に、デンジマンに捕まって刑務所に送還された、で良かったんじゃないの?

 以上、緑川が刑事時代の緑川に戻ってしまうあたりまでは期待できたのだが、それ以降は失速し、クライマックスで色んな疑問点や矛盾点が噴出するが、それらを解決しないまま強引に終わらせてしまったような印象を受ける、惜しいエピソードであった。
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コメント

今回の作戦は使用方法を間違うと味方(ここではベーダーですね)にもリスクが及ぶ物騒な作戦ですね😅何故囚人を使って実験したのでしょうか?

Re:愛と勇気の炎を燃やす「電子戦隊デンジマン」第22話(04/06)  

これだけタイムマシンを乱用するとワケが分からないですね😅

Re[1]:愛と勇気の炎を燃やす「電子戦隊デンジマン」第22話(04/06)  

ふて猫様

うう、これも書き直したい。

リテイクお願いします

管理人様、この回もリテイク希望お願いします🤲いつでも構いませんよ😊

Re: リテイクお願いします

承知しました。

てか原始人にするなら死刑囚じゃなくていいじゃん

SF的に考えるなら記憶や人格がその時間の自分の物になるように修正されていく物理法則が存在していて、4年前飛ばされた時点では現代の緑川だったが現代に戻される頃には刑事時代の緑川の記憶と人格になっていて、現代に戻ってきた事でだんだんデンジマンになった後の緑川に戻っていったという感じでしょうか(恐らくアイシーに会わせなくてもいずれ元に戻るがより時間が掛かったと思われる)

しかしこの回一番不幸なのは過去に飛ばされて帰ってこれない死刑囚の皆さんか、絶対に見つかる事のない死刑囚を探し続ける事になる警察の方々か、それとも野に放たれた死刑囚の影に怯え続ける一般市民か

意味が分からん

緑川の記憶が突然蘇るのは良いとしてももう少し丁寧にその過程を描いて欲しかったですね😅後は最初の独房の表札はまるで昔のアパートでしたね😅

デンジランドやデンジタイガーの機器セットを敵側アジトに流用、という手抜き?は多分今回だけですね(笑)
この時期の美術担当は森田ふみよしさんは、レベルが高いセットで、ゴーグルシーザーのコクピットなんかもなかなかのセンスでした。
しかし、ダイナマンあたりから担当が変わってしまいレベルダウン。バイオマンだと光学合成のデンフィルムエフェクトも抜けたので、今デンジマンと見比べると、一瞬バイオマンの方が古かったっけ?と錯覚しそうな感じです。

要はデンジマンの美術と光学合成は大きな魅力であり、ロストテクノロジーでもありますね…

考えにくい

緑川を未来から戻したのは結果としては判断ミスですが、まとめてみると

緑川が見た未来では計画が進んでいる
計画をサンバルカンあたりにチクられたら台無しだから戻す
緑川を戻してもデンジマンを倒す自信はある
緑川が見た未来はグリーンがいないデンジマンを倒せたからその後計画が進んでいたと判断できなかった
これでもまだ何かまとまってない気がします。

それにしてもタイムトラベルネタに記憶喪失ネタを追加する必要はなかったかと…記憶が戻らないフリ作戦なら別の機会でもいいと思います。

>得意の弾き語りでしょうもない歌を歌って

「ひとりぼっちの青春」という曲だそうです。
ようつべの内田直哉さんご本人のアカウントにクリスマスライブの映像があります。

Re: てか原始人にするなら死刑囚じゃなくていいじゃん

> SF的に考えるなら記憶や人格がその時間の自分の物になるように修正されていく物理法則が存在していて、4年前飛ばされた時点では現代の緑川だったが現代に戻される頃には刑事時代の緑川の記憶と人格になっていて、現代に戻ってきた事でだんだんデンジマンになった後の緑川に戻っていったという感じでしょうか(恐らくアイシーに会わせなくてもいずれ元に戻るがより時間が掛かったと思われる)

まあ、タイムトリップものは、どうやっても矛盾が出ますよね。

> 絶対に見つかる事のない死刑囚を探し続ける事になる警察の方々か、それとも野に放たれた死刑囚の影に怯え続ける一般市民か

確かに、良い迷惑ですよね。

Re: 意味が分からん

手抜きですよね。

Re: タイトルなし

> しかし、ダイナマンあたりから担当が変わってしまいレベルダウン。バイオマンだと光学合成のデンフィルムエフェクトも抜けたので、今デンジマンと見比べると、一瞬バイオマンの方が古かったっけ?と錯覚しそうな感じです。

確かにバイオマンのセットって野暮ったかったですね。

Re: 考えにくい

> 緑川が見た未来はグリーンがいないデンジマンを倒せたからその後計画が進んでいたと判断できなかった

なるほど、緑川が未来に行くと歴史も変わるんですね。

> それにしてもタイムトラベルネタに記憶喪失ネタを追加する必要はなかったかと…記憶が戻らないフリ作戦なら別の機会でもいいと思います。

確かに……ややこしい話が余計ややこしくなってしまいましたね。

Re: >得意の弾き語りでしょうもない歌を歌って

情報ありがとうございます。

そう言えば歌手としても活動されてたんですよね。

No title

死刑囚なら、刑務所じゃなく拘置所ですね。

Re: No title

確かにそうですね。

死刑囚

死刑囚って確か執行まではひたすら(死刑の)時を待つだけだと思ったのですがね😅

Re: 死刑囚

実際はどうなんでしょうね。

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70~80年代の特撮、80年代のドラマを中心に紹介しています。

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