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「男はつらいよ」レビュー 第20作「寅次郎頑張れ!」(1977年)


 節目の第20弾「寅次郎頑張れ!」は、1977年12月27日公開、併映は郷ひろみの「ワニと鸚鵡とおっとせい」(どんなんや)で、観客動員188万1000人。
 さすがにしんどくなってきたのか、今回のサブタイトルはかなりのやっつけ仕事である。

 冒頭、いつもの夢物語。だが、いつもとちょっと違って、実際に寅が夢で見そうな内容である。
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 朝、寅は豪華な部屋、ふかふかのベッドで眠っている。そこへメイド(岡本茉利)が声を掛けて、寅は目を覚ます。状況が把握できず、キョロキョロ辺りを見回していると、さくらをはじめ、お馴染みの面々が集まってくる。みんな、不気味なほど上機嫌で、成金風に着飾っている。
 博「兄さん、気に入りましたか、この部屋」
 寅「いったい、お前達はどうして……?」
 さくら「長い間の苦労が実って、あたしたち、もうお金持ちなのよ。社長さんもすっかり成功なさって」
 タコ「ははははっ」
 博「本社ビルもとうとう完成しましてね」
 タコが向かいの窓を開けると、巨大な朝日印刷会社のビルが見える。寅がかつてのとらやはどうなったのかと訊くと、そんなものはとっくに取り壊したと笑われる。
 そこへ執事(吉田義夫)とメイドが食事の用意ができましたと扉を開ける。奥には専属の管弦楽団までいて、生演奏を始める。
 みんなが笑いながら向こうへ行くのを必死で呼び止める寅、その辺で目が覚めると、お地蔵さんのお堂の横で居眠りしていたのだった。

 しかし、これは寅が密かに抱いている願望……自分はともかく、さくらたちに裕福になって欲しいと言う……が夢となって出てきたと思うと、ちょっといじらしいものがある。

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 さて本編。ここでは最初から主人公である中村雅俊(良介、通称ワットくん)がとらやに下宿していると言う設定。彼は電気工事会社で働いているのだ。さくらたちのアパートにいたのだが、その部屋の住環境があまりに劣悪なので、さくらたちが口を利いてやったらしい。仕事中、着替えのためにとらやに戻ったワット。
 ワット「お、きつねうどんか」
 と、さくらの食べている丼を覗き込む。それを隠すように身をかわす仕草が奥床しい。
 さくらは、ワットのことを弟のように可愛がっている様子。

 だが、町内から回ってきた「押し売りお断り」の札を、出掛けようとしたワットが玄関に貼っている所に寅が帰ってきてしまう。寅の風体を見て、すぐ押し売りだと睨んだワットは、寅と押し問答の末、警察に電話してしまう。
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 警官(例によって、米倉斉加年)まで巻き込んで、大騒ぎになる。
 そしてどさくさ紛れにタコ社長が「M字開脚」される。後にも先にも、「男はつらいよ」における唯一の「M字開脚」である(何を言うとんだお前は)。

 その夜、当然、寅の機嫌は最悪である。しかし、その空気を察して、ワットのほうから先に申し出て、荷物を背負って部屋を出てしまう。今度はさくらたちからイヤミを言われ、面白くない寅、家を飛び出して、珍しくパチンコに興じる。シリーズ中、寅がパチンコをするのはこのシーンだけだと思うが、どうだったかな?
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 ちなみに横に座っているのは杉山とく子、言うまでもなく、テレビ版のおばちゃんであり、第5作にも出演していた。これ以降、味のある脇役でちょいちょい顔を出すようになる。
 ここでは、寅がかすめようとした自分の玉を目敏く取り返すパチンコ客。
 玉がないとぶつぶつ言ってる寅の近くで、ワットもパチンコをしていた。すぐ自分の玉を寅の台に放り込んでやる。
 寅「なんだおめえか」
 ワット「そこ入んないでしょう? ここの4本釘の左から2番目を狙って打つんですけどね」
 寅「お前、今夜泊まるとこねえのか」
 ワット「いや、友達のところへね、さっき行ったら帰ってなかったみたいで……」
 などと話していると、急にパチンコが当たりだす。
 寅「わーっ入った入った、また入った! どうだババア」

 で、結局二人はどこかで飲んで酔っ払ってとらやに戻ってくる。寅に引き止められ、ワットはまた下宿することになる。
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 翌日、近所の飯屋に寄ってみた寅は、そこで可愛い女の子が働いているのを知る。
 訛りが可愛い幸子を演じるのは初々しい大竹しのぶ。さすがに寅、年齢差があり過ぎるのか、彼女に惚れたりはしない。もっとも、前回は大竹とさほど年の違わない真野響子と結婚するつもりだったのだが。
 また、その店にワットがいるのを見てあれこれ話していると、彼がその子に惚れていることに気付き、嬉しくなる寅。
 ある日、幸子が店にやってきたので、すぐワットを呼んでやる。
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 しかし、ワットは(幸子も)奥手で、差し向かいではろくに口も利けない。
 寅「おい、早く喋れよ。楽しい会話しろ」
 ワット「会話って……」
 寅「あるだろう、趣味は何ですかとか、お好きな食べ物は、とか」
 弾まない会話に業を煮やした寅は、二人を急かして無理矢理帝釈天へ散歩に行かせる。

 夕方帰ってきたワットは、幸子とデートの約束をしてきたと手柄顔。だが、寅が細かくデートプランについてレクチャーするので、だんだん憂鬱になってくる。
 んで、デート当日、よせばいいのにワットは寅のアドバイスを実践しようとして見事に失敗する。と言っても、別にふられたわけではない。

 ワットが帰ってくるのを待つ寅、思案顔を起こして、
 寅「やっぱり、俺が仲人やらなきゃダメか」
 と、早くも結婚式のことを話題にする。いくらなんでも気がはええよ。
 おいちゃん「しかし仲人ってのは夫婦でやるもんだぞ」
 寅「あ、そうかあ、俺女房いなかったな」
 博「いませんね」
 寅「あ、そうだ、急いで結婚するか」
 さくら「あら、そんな人がいるの?」
 寅の言葉に思わず振り向くさくら。
 寅「いや、別にいやしないけどさ、誰でも良いから探して来て、とりあえず一緒になって仲人が済んだら分かれると……そう言うのダメかね」
 博「そりゃダメですよ」
 寅「ダメか」

 などとバカ話をしているとワットがしょぼくれて帰ってくる。
 デートの不首尾を報告した後、ヤケクソになって飯屋に突撃し、幸子にプロポーズする。
 今だったら、即通報の不審者である。
 しかも、ちょうどその時、幸子は郷里から母親の入院のことを聞かされたばかりと言う、最悪のタイミングであった。幸子に泣かれるわ、その叔父(店主)にぶっ飛ばされるわ、散々な目に遭う。
 純情青年のワットは、それですっかり落ち込んでしまい、下宿の部屋を内側から目張りして、備え付けのガス栓をひねる。そして机に向かって遺書を書き始める。ガス自殺しようと言うのだ。
 なかなか上手く遺書が書けず、苛々しているうちに、タバコに火を付けようとする……。

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 下では寅とさくらたちの会話。
 さくら「結局いつかは結ばれるのよ、傍から口出すことないわよ」
 寅「あーそうですかねーそれじゃ俺が世話焼かなかったら、お前と博は一緒になれなかったんじゃないですか?」
 大昔のことを持ち出す寅。しかし、実際のところ1作目における寅の働きは完全に怪我の功名なので、あまり威張って言うことではない。その後の結婚式で活躍したから、なんとなく二人の仲を積極的に取り持ったように、寅(とスタッフ)の中で記憶が操作されているのではないだろうか。
 博「そうですかねえ」
 寅「そうですかねえ? はぁーあー、空しいねえ。いくら人に尽くしても報われないか……」
 寅が柄にもなく慨嘆した直後、
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 2階の部屋で爆発が起こる。
 さくら「ひゃあーっ」
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 そして2階からワットが、ドリフみたいな顔になって落ちてくる。
 この爆笑エピソードは、後に寅が(40作目だったと思うが)大学生たちに披露している。
 さすがにいたたまれなくなったワット、直ちに故郷の平戸へ帰ってしまう。寅も責任を感じてか、後を追うように旅に出てしまう。

 長くなったので分けて書きます。


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コメント

車寅次郎こと寅さんは素行が悪く売られた喧嘩は高く買うと言うヤクザですが、決して無益な殺生は好まず弱い者苛めも決してせず卑怯は倒す所が有るので、むしろ弱者の味方なのが良いです。

幽遊白書の主人公の浦飯幽助とシュートの白石健二も中学校の不良ですが、決して無益な殺生や弱い者苛めもしないし、むしろ卑怯者を倒す仲間思いの弱者の味方ですし、浦飯幽助の殺人パンチは155kgと高得点で爆拳位なら一撃で骨折させるタコ殴りも繰り出す事が容易ですし、白石健二はサッカーボールを掴む力が強いのでキーパーが最適です。

浦飯幽助
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白石健二
https://ameblo.jp/mimoraman/entry-11279667479.html" target="_blank">https://ameblo.jp/mimoraman/entry-11279667479.html

ランブルローズの「キャンディ・ケイン」も浦飯幽助と白石健二と同じく手癖と口は悪くても心は純粋無垢で正直です。

ランブルローズのキャンディ・ケイン
https://www.youtube.com/watch?v=euEIBeacgRE" target="_blank">https://www.youtube.com/watch?v=euEIBeacgRE

僕の母は「人と喧嘩せず上手く付き合えないと孤独になる」と甘い事を言ってますが、相手が豊田真由子の様なモンスターや超ヒロイン戦記の機械なら最初から仲良くする気は無いので殺すか殺されるかの殺し合いなので遠慮したらむしろ失礼になる事も超ヒロイン戦記の60話で教わりました。

超ヒロイン戦記60話
https://www.youtube.com/watch?v=X6V6l9LpTIo" target="_blank">https://www.youtube.com/watch?v=X6V6l9LpTIo

Re[1]:「男はつらいよ」レビュー 第20作「寅次郎頑張れ!」(1977年)(04/18)  

クッカリス様
まさか「男はつらいよ」の記事にコメントを頂けるとは思いませんでした。

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Author:zura1980
70~80年代の特撮、80年代のドラマを中心に紹介しています。

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