「スケバン刑事2 少女鉄仮面伝説」セレクション 第7話 前編

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　第7話「二代目サキはクリスチャン！？」（1985年12月19日）
　……節操のないタイトルだ。志穂美悦子の「二代目はクリスチャン」が公開されたのは同年の9月である。
　あ、蟹江敬三さんが出てるのか。

　さて、クリスマスである。とある修道院の養護施設では、今しも子供たちが楽しくクリスマスツリーの飾り付けをしているところであった。

　
　だが、その中の二重顎の少年だけ、メソメソと泣いていた。他の少年が声を掛ける。
　少年Ａ「メソメソしてんじゃねえよ、ゆたか、お前の兄ちゃん死んじゃったんだもん。しょうがないだろう」
　少年Ｂ「お前の兄ちゃん強盗するから、神様にバチあちゃちゃたんだよ」
　Ａはともかく、Ｂは文字通り舌足らずで、まともに台詞になっていないのが微笑ましい。今だったらありえない子役の下手さであるが、個人的には、妙に達者な子役よりは好感が持てる。子役は下手で当たり前なのだ。

　ゆたか「ちがわーい、洋一兄ちゃんは強盗なんかしないよーっ」
　少年Ｃ「だって警察が調べに来てそう言ったじゃんかよー」
　ゆたか「しないよーしないよー」
　少年Ｂ「したもーん、したんだもーん」

　この棒読み台詞の応酬、いくら子役でも下手過ぎないか？さっきと言うてることが違う！

　んで、遂にマジ喧嘩に発展して騒ぐ子供たち。シスターたちが止めに入るが、
　
　その中になんと、二代目麻宮サキがいるではないか。
　サキ「喧嘩はやめちょきや」
　年輩のシスターがやってきて、サキをみんなに紹介する。
　サキ「シスター・サキっちゅうもんです。よろしゅう」
　3の唯もそうだが、こいつら訛りを直そうと言う気が全くねえな（訛りが悪いと言うことではないが）。

　オープニングタイトル後、サキが何故こんなところにいるのかという理由が時間を戻して描かれる。

　
　校庭で焚き火をしながらサキに話している西脇。　
　「先日、ある代議士の車が不良高校生グループに襲われましてね。政治資金8000万が強奪されましてねえ。警察じゃ被害者に見られて面の割れた手下の一人が本田洋一と言うバイト学生だと言うところまでは割り出したんですが、その本田洋一が交通事故で死んじゃいましてね。ところがね、実は最近、その本田洋一の育った養護院が得体の知れぬ学生たちに見張られていると言うことが分かったんです。あちーっ！」
　焼き芋の熱さに思わずサキに放り投げるが、サキはそれを受け取って平気な顔をしている。

　「あの養護施設には、洋一がバカみたいに可愛がっていたゆたかっていう弟がいますしねえ。探ってみてくれませんか」
　と言う訳で、サキ、シスターに化けて修道院に潜り込んだのだった。

　サキ、教会でひとり泣きべそをかいているゆたかを見て、その隣に座る。
　サキ「おまん、泣虫じゃねえ」
　ゆたか「ちがうよー泣虫じゃないよー」
　サキ「今お前に出来ることはひとつしかないちゃ、おまんが強うなることじゃ。媚びず、恨まず、甘えず、己を信じ真っ直ぐに……おまんにはまだ無理かもしれんけんど、おぼえちょきや」
　ゆたか「洋一兄ちゃんはさ、凄く優しいんだ。強盗なんかしないよー」
　ゆたかは兄がいかに優しかったか、回想シーン付きで力説する。

　サキに「これからはうちが姉ちゃんになっちゃるき、仲良うしようなぁ」と言われ、
　
　露骨にありがた迷惑ですという顔になるゆたか。
　子供のこんな顔、なかなかお目にかかれませんよ。

　
　さて、教会の前には、リムジン（？）に乗った雪乃とお京が張り込み、監視していた。サキに協力を頼まれたのだろう。
　雪乃「用が済みましたら連絡いたします。お父様に車を貸して頂いたことのお礼をくれぐれも伝えておいて下さいまし」
　自動車電話で自宅の誰か（あるいは運転手？）と話している雪乃。
　
　お京は呆れたように、「張り込みすんのにこの車かよ。ほんと金持ちって虫が好かないねえ」
　雪乃はお茶を入れながら、「でもこの寒空では凍えて5分と持ちませんことよ。いかが？」
　お京「何から何まで気が利いてますこと！　お茶におせんべいねー」

　なんだかんだ言いながら、雪乃の出すお茶をすするお京。と、教会から子供たちの歌うクリスマスソングが聞こえてくる。
　お京「おっ、いいねえ。なんたってクリスマスはいいよねえ。ねねね、お前さんちはクリスマスはどんなことやるんだい？」
　雪乃「うちは宗教が違いますから、クリスマスの祝いは致しませんのよ」
　お京「……ほんと？　噛み合わないよ、お前さんとは」
　思わずほぼ逐語的に書いてしまったが、こういう何気ないやりとりが良いんだよね。

　
　教会では、サキの弾くオルガンにあわせてみんなで「ジングルベルジングルベル、鈴が鳴る～」と定番の歌を歌っているのだが、これが見事にバラバラである。こんな歌、揃わないように歌う方が難しいんじゃないか？

　そこへゆたかに誰かから電話がかかってくる。サキはこっそり後をつけ、その電話を盗み聞きする。意外にも電話の主は死んだ筈の洋一のようであった。

　洋一の指示を受けたゆたかは、教会に隠してあった8000万円の入ったバッグを取り出し、飼い犬を連れてどこかへ出掛ける。
　公園の中を通っていたゆたかの前に、5人組の怪しい男たちが立ちはだかる。
　
　うむ、見るからに怪しい。

　
　だが、すぐにお京と雪乃がゆたかを守るように現れ、彼らと睨み合う。

　続いて格闘シーンになるのだが、相楽晴子も吉沢秋絵もアクションは素人なので、カメラを斜めにしたり、極端にクローズアップにしたりして、誤魔化しながらの撮影となっている。

　サキとお京は逃げ出したゆたかの後を追い、敵は雪乃に任せる。

　長くなったので分けて書きます。