「スケバン刑事2 少女鉄仮面伝説」セレクション 第7話 後編

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　続きです。

　舞台は後楽園遊園地に移動。大勢の客で込み合っている。
　ゆたかは、兄に指示されたであろう場所で腰を下ろして待つ。
　サキとお京も物陰からその様子をじっと見詰める。

　と、ゆたかの連れていた犬が急に走り出す。ゆたかが犬を追っていた先には、
　
　死んだ筈の兄、洋一の姿が。
　洋一は弟を連れてさっさと行こうとするが、サキとお京が呼び止める。
　サキ「やっぱり生きちょったんか……わけあっておまんとそのバッグを拘束する」
　ゆたか「お姉ちゃん僕のこと騙したのー？　僕に優しくしてくれてお姉ちゃんになってくれるって言ったの嘘だったんだー」
　ゆたかの棒読みの言葉に辛そうな顔になるサキ。洋一は不意にゆたかの首に鎖を巻き付け、二人を近寄せまいとする。
　サキ「洋一、おまんそれ本気でやっちゅうがか？　まっこと本気かよ？」
　洋一「だったらどうだってんだー」
　だが、咄嗟にお京がビー玉を洋一の腕に当て、ゆたかを取り戻す。サキはゆたかをお京に任せ、自分は洋一を連れて観覧車に乗って尋問（主にビンタ）する。

　洋一「生き抜いてくためにはな、兄弟だろうが何だろうが、人情なんかにかまってられるか」
　サキ「ふざけんな」（バシッ）
　洋一「しょうがねえだろ、俺はなぁ逃げなきゃ殺されちまうんだ」
　洋一は、現金強奪の直後、顔を見られたと言うことで仲間に殺されそうになったが、車の事故でその仲間の方が死んだこと、彼を身代わりにして8000万を持って逃亡したことを話す。だが、リーダーの寒川大吾と言う男に勘付かれ、彼らに追われているらしい。

　その大吾、既にサンタに変装して遊園地に入り込んでいた。
　いやがるゆたかを引っ張って帰ろうとしていたお京の側で、関係のない女の子を突き飛ばし、お京の注意を反らす。
　
　女の子の服の汚れを払ってあげる優しいお京。だが、その隙にゆたかを寒川に連れ去られてしまう。

　一方、観覧車では。
　洋一「あんた影の総統って知ってるか？　すげー組織を持った人なんだ。俺はこの金を手土産に総統の組織に入れて貰うんだ」
　ここで、かなり強引に「影の総統」の名前が出てくる。思いがけずその名前を聞き、軽く驚くサキ。
　洋一（下を見て）「奴らを見ろよ、弛みきったバカどもだ。俺はいつもこうやって奴らを見下ろす身分になってやるんだ。総統の組織にコンタクトさえ取れりゃ、そのチャンスを掴むことが出来るんだ」
　
　大吾は言葉巧みにゆたかから洋一の居場所を聞き出し、観覧車から降りてきたところを不意打ちする。だが、洋一はバッグを持ってまたもや逃走。大吾、サキも続く。
　遊園地にはさっきの怪しい男たち（大吾の仲間）もおり、洋一を見付けて追いかけてくる。
　洋一はマンホールから下水道に降り、その中を逃げ惑う。

　しかし、遂に大吾に追い詰められ、ナイフで腹を刺され、バッグを奪われてしまう。
　追って来たサキが刺された洋一を抱き起こす。
　
　サキ「これが、おまんの言うたチャンスの末路なんか？　ばかやろー」
　洋一「これをゆたかに……クリスマス、プレ、ゼント……」
　苦しい息の中、小さなクマの人形を取り出す洋一。
　サキ「おまんの本心はこの人形なんじゃの？　そうなんじゃの？」
　洋一はそれには答えず、くたっと息を引き取る。

　
　サキ「本当は気の小さい、心の優しい男なのに、そんな男に身の程知らずの夢を見させ、目の前の愛を忘れさせるこの時代、なんや知らんけんど、今日のうちは腹が立ってならんがぜ！」
　普通、目の前で人が殺された直後、こんな長々と喋る奴はいないよね。

　
　後は悪を成敗するだけ。まず、地上の5人は、雪乃、そしてお京によって片付けられる。
　二人で男を投げ飛ばし、得意そうなお京。

　大吾は、地上に上がろうとしていたところで、サキのヨーヨーを受けて倒れる。
　サキ「8000万を独り占めかい、その名の通り、まっこと寒か男じゃねえ、寒川大吾」（放送後、全国の寒川さんから抗議の電話が殺到した……かどうかは知らない）
　大吾「なんだてめえは」
　サキ「鉄仮面に顔を奪われ、十と七とせ、生まれの証さえたたんこのあてえが、何の因果かマッポの手先、二代目スケバン刑事・麻宮サキ、弱き者の心を惑わす魑魅魍魎、おんしは許さんぜよ！」
　と言う訳で、サクッと大吾をぶちのめして事件解決。

　そして、

　
　ゆたか「兄ちゃん、兄ちゃん」
　サキ「大丈夫、命は助かるきぃ」

　洋一、死んでなかったのかよ……。
　あそこはあのまま死なせた方が良かったと思うけどね。

　サキ「洋一からお前のクリスマスプレゼントじゃ」
　クマを手渡し、「洋一はやっぱり無実じゃった」
　ゆたか「ほんとー？　それ見ろ、それ見ろ！」
　うん？　しかし、洋一が彼らの一味だったのは確かなので、これはサキの優しい嘘であった。

　サキたちに励まされてゆたかは犬を連れて帰っていく。

　
　お京「さて、帰ってクリスマスパーティーでもやるか！」
　雪乃「私のうちは宗教が違います！」
　雪乃さんちの宗派が猛烈に知りたい。
　お京「お前なー」
　サキ「うちはまだいっぺんも経験がないがよね」
　お京「うっそぉ、もうダサくてやんなっちゃう」
　後ろでトホホ的な顔になるお京、可愛い……。