第23話「天井裏を歩く悪魔」(1980年7月5日)
絵を見ながらどこかへ向かっている青梅とあきら。

青梅「へったくそだなぁ、これがあきらちゃん?」
ピカソ的なあきらの似顔絵を見て呆れる青梅。

そう言えば、9話に出てきた別の画家の描いたあきらの絵もひどかったな……。

あきら「でしょう? あたしをどうしても描かしてくれって言うの。あんまりしつこいから描かせてあげたのよ。向こうから頼んだくせにお金を払えって言うのよ」
青梅「とんでもない奴だなぁ」
やがて二人は、その画家が座り込んでいる公園の入り口にさしかかる。どうやらあきらに相談されて、わざわざ青梅が話をつけに来たらしい。

その画家、浮浪者のようなむさ苦しい格好だったが、ひょいと振り向いた顔を見て青梅が驚く。
青梅「あっ、若松ーっ」
若松「おお、青梅ーっ」
そう、相手は青梅の旧友だったのだ。偶然の再会を喜ぶ二人。
若松を演じる林家源平は「ジャッカー電撃隊」の姫玉三郎役でお馴染み(知るか)。

相手が親友だと知るや、青梅はたちまち態度を豹変させ、彼を仲間に引き合わせた上、絵の代金まで支払ってやる。と言っても、100円だけど。
青梅「安いもんだぜ、100円で似顔絵を描いてもらえるなんて……うーん、うまい、実に上手い」
と、さっきの言うてることが違う青梅、部屋の壁にその絵を飾る。
青梅「あきらちゃん、綺麗だぜーっ」
ついでにあきらのほっぺを触る(セクハラ)。その後のあきらのふくれっ面が可愛い。
機嫌のいい青梅は、カツ丼、アンパン、ジュースなどをみんなに振る舞う。だが、他のメンバーは若松の汚いなりに顔をしかめ、いまひとつ盛り上がりに欠ける。

その若松も、青梅の様子を見ていたが、急に立ち上がって帰ると言い出す。
青梅「お前腹減ってんだろ?」
若松「お前みたいな堕落者の同情なんか欲しくないよ。俺とお前の約束を忘れたのか? 俺は漫画家に、お前はサーカスのスターになると誓い合ったじゃないか。どんなに貧乏しても女なんかに目もくれず、頑張ろうと励ましあっただろ。それなのにこの格好はなんだ? サーカスを辞めて、その上
女の子なんかとでれでれしちゃってー」
青梅、まさか「今デンジマンやってるんだ」とも言えず、答えに窮する。
若松はイラスト料100円をつき返し、飛び出して行く。
しかし青梅は傷付くどころか、「あいつは昔のままだ」と満足そうな顔。さらに、あきらにまたモデルになってやってくれと頼む。
だが、ちょうどその頃、ベーダー怪人コケラーの魔手が若松に近付いていた。コケラーに抱き付かれた若松は人が変わったようになって、訪れたあきらを襲い、その後、何処かへ消え去ってしまう。

ヘドラー将軍「人類ベーダー奴隷化実験のモルモット作りは順調に進んでおります」
ヘドリアン女王「ほうー、近頃の人間どもは
中流階級(笑)の生活をしておると聞いていたが、そんなにモルモットにふさわしい人間がおるのか」
ヘドラー「いつの世にも不健康で不潔な生活を余儀なくされている者はいるものです」
最近、ヘドリアン女王のおっぱいを吊っているストラップに妙なエロスを感じる管理人であった。

若松の態度に憤慨するあきら。青梅が若松の為に弁護していると、千恵子巡査と友子巡査がやってくる。
千恵子「この頃妙な事件が立て続けに起こっているのよ……」
事件と言っても、若松同様、コケラーに細菌を移された若者が、花屋で暴れたり道行く若い女性にペンキをぶっかけたり、そういうたぐいのものであった。
青梅は同様の事件を起こした男を追っていたが、途中でコケラーによって殺される。青梅は事件の裏にベーダーがいることを知り、黄山に細菌の分析をさせる。
分析の結果、細菌には「人間の美的感覚を鈍らせて、美しいものへの憎しみを掻き立てる」作用があり、また「人間の体温、不潔な環境で最も繁殖する」ことが判明した。
モルモットにされた若者たちはベーダー魔境と言う特殊な空間で奴隷のようにこき使われていた。青梅は若松を助ける為、自ら汚いアパートに住んで囮となりコケラーのやってくるのを待つ。
で、いろいろあって、いつものようにベーダーの計画は潰され、若者たちは元に戻る。

最後、仲直りした青梅と若松。若松は青梅がデンジマンとして地球の平和の為に戦っていることを知ったのだろう。
若松「お前のこと誤解してたよ、すまん」
青梅「いいってことよ、俺の分まで頑張ってくれ」
あきら「はい、どうぞ、召し上がって」
にこやかに、アンパンを上げるあきら。もっといいもんやれよ。
若松「いやぁ、嬉しいなぁ~、いや、俺、女なんか目もくれず、漫画家目指して頑張るぞ!」
第24話「罠を張る怪力男」(1980年7月12日)

冒頭、どアップで普通に歯を磨いているヘドリアン女王。歯を磨いている悪の組織のボスと言うのも、あまりおらんな……。
美しい歯並びを、鏡に映してご満悦の女王だったが、

「この世で一番美しい歯の持ち主は?」と言う問い掛けに、鏡が正直に「美しい歯・日本一コンテストで優勝した山下ユリです」と答えたため、たちまち激怒する。
ヘドリアン「許せぬ、歯の女王はわらわじゃ、おにょれーっ、ぐにーっ、あれ、あ、あ、あ、あ……」
歯噛みしていたヘドリアン女王だが、突然虫歯になってしまい、ボロッと歯が抜ける。
ヘドリアン「ミラー、ケラー、ハミガキラー、お前たち協力して、
山下ユリの歯を全部引き抜いて、さらしものにするのじゃ、子供たちの健康を奪い、恐怖のどん底に突き落としておしまい!」
コミカルに演出されているのだが、やろうとしてることはかなりえげつない。
よって今回、ベーダーの狙いはひたすら山下ユリと言う女の子の歯である。どんな悪の組織やねん。
だが、ユリはデンジマンの知り合いで、コンテスト会場を出た後も、ずーっと青梅がついているのでなかなか手が出せないミラーたち。

で、わざわざ怪力ショーの特設テントを張って、青梅や子供たちを誘い入れる。
入り口のところで無料の綿アメ(虫歯菌入り)を配り、それをユリに食べさせて虫歯にさせようと言う計画だったが、ユリだけ何故か食べようとしない。
ハミガキラーが化けた大男が、歯で巨大なおもりを持ち上げて見せる。……これ見て何が楽しいの?

しょうもない作戦だが、いつもと違って普通(?)の衣装が着れて嬉しいミラーとケラー。

ユリをさらうため、青梅にも挑戦させる。子供たちに押されて仕方なく挑戦する青梅。
青梅(俺、地球を守るデンジマンだよな、確か……) ここも、その隙にこっそり裏口からユリに近付いたケラーとミラーが、青梅が客席に戻ってきたので慌てて引っ込むと言うトホホな感じで失敗する。

今度は、自宅で待ち伏せ、帰宅したユリが青梅と別れた直後に襲い、虫歯菌を直接ユリの歯に塗り込もうとする。
悪の組織が全力でなにやってんだか……。しかも、気付いた青梅が引き返してきて、それすら失敗。
それでも、多少は菌がついたのか、遂にユリは虫歯になり、あきらに連れられて歯医者に行く。しつこいベーダーは、歯医者に化けてユリを誘拐し、巨大なペンチで歯を抜こうとするが、デンジマンに間一髪で阻止される。後は怪人を倒して事件解決。
ユリや他の子供たちが公園で遊んでいるのを遠くから見ているデンジマンたち。
赤城「子供たちの元気な姿を見るのはいいなぁ」
緑川「これにすぐる喜びはなしだ」←うそつけ