第52話「洋の父が生きていた！改造人間FX777とは？」（1980年9月26日）
既に開始から1年以上経ってしまったこの企画、残すところは江連卓脚本による3連作のみ。
予告編
洋（戦闘員を蹴り飛ばしながら）「よおっみんな、
危険なキックなどやめて、元気一杯行こうぜ。次週はこれだ！」
アクション撮影の合間なのだろうが、背後で歴代ライダーたちがバイクに乗って戦っている様子が見切れている。なお、53話の予告はナレと映像だけなので、洋の語りかける予告編は、これが見納めである。
本編
冒頭、大首領の神殿（？）の前で、魔神提督が度重なる失敗に激怒している大首領のご機嫌伺いをしている。
まず、アリコマンド三人による華麗な舞いの披露（三ヶ月練習しました）。
ついで、
人間の耳1000個（うげ）の奉納。
魔神提督「暗黒星雲の帝王にしてネオ・ショッカーの大首領よ、何卒お怒りをお鎮め下され～これを食べて何卒お許しを」
これではますます大首領の怒りに油を注ぐだけだと思うが、この耳1000個と言う供え物は、だいぶ前の43話にも出てきたアイテムである。脚本は同じ江連卓だった。その時は999個しかなかったのだが、あれから1個増やして遂にコンプリートしたのだろう。
無論、こんなもので大首領が機嫌を直す筈もなく、大きな手でぐわしっと魔神提督の体を掴み、仮面ライダーに倒された怪人たちの幻影を見せた上で、最後のチャンスをやるから、さっさとスカイライダーを倒して来いと厳命し、そのままぶん投げる。
自分の居城まで一気に転がってくる魔神提督。
部下たちが一斉に「魔神提督様！」と駆け寄る。意外と人望が厚いのだった。
初登場時はＶＩＰ待遇だったのに、それから延々30連敗してしまったため、この有様。魔神提督のプライドはズタズタであった。もっとも、前任のゼネちゃんは15連敗くらいで最後通告を受けていたのだから、それに比べればまだ優遇されているといえるかもしれない。
魔神提督「心配は要らん。……おのれ筑波洋、俺様にこれほどの屈辱を与えた貴様は、ただでは殺さん。心が張り裂けんばかりの苦しみを与えてやる！」
その洋、作品が始まって以来、初めて父母の墓参りに来ていた。
洋「父さん母さん、あなたたちが亡くなってもうすぐ3年になるね」
回想シーンでは、洋の両親が初めて登場する。父親を加藤和夫、母親を折原啓子が演じている。
洋の声「あの日父さんと母さんは、友人の出版パーティーに招待されて出掛けたんだ……あれが父さん母さんとの別れになるなんて夢にも思わなかった。時限爆弾を仕掛けたのはネオ・ショッカーだった」
二人の乗った車が爆破されるイメージショット。
洋はこの時は大学生だと思われるが、母親のためにドアを開けてやったり、いかにも優しい好青年。ただ、ここで洋が3年前の時点で両親を殺したのがネオ・ショッカーだと知っていたと言うのは、ちょっと腑に落ちない。そもそもどうやってその事実を知ったのかと言うのもあるが、第1話で志度博士を追いかけていたアリコマンドを見た時も、ネオ・ショッカーについては全く無知のようにしか見えなかったからだ。
第1話の時点で既に洋は天涯孤独の身だったのだから、この点はどうしても矛盾している。また、洋の両親が彼らに捕まっていたことが次回以降はっきりするのだが、ネオ・ショッカーが、何故彼らを人質として今まで利用しようとしなかったと言うのも謎である。
それはさておき、「その頃、城茂はネオ・ショッカーのアジトを発見した」と言うざっくりしたナレーションだけで登場するストロンガーこと、城茂。38話以来の客演である。
茂「あの人は、長沼博士！」
洋の父・筑波博士の親友で、3年前から行方不明だった長沼博士がアジトへ連れて行かれるのを見て驚く茂。
茂は洋に連絡して、二人で協力して博士を救出する……。
長くなったので分けて書きます。
