第10話「野球の敵を場外へ飛ばせ」 冒頭、高層ビルをバックにギターを弾いている早川。曲は勿論「二人の地平線」である。

同じ頃、どこかのスタジオで同じ曲を演奏しているバンドがいた。
これは、実際に番組の曲を担当している人達じゃないかと思うが、良く分からない。
リーダーでドラムの川口は、若尾義昭氏が演じているが。

そこへふらりと早川がギターを弾きながら入ってくる。普通なら怒られるところだが、ここでは一瞬驚くものの、バンドの人達は快く早川を受け入れ、セッションする。
特にこの、トランペットの人と、

早川がアイコンタクトしつつ、笑顔で演奏するところは何度見ても可笑しい。
演奏の後、がっちり握手する早川とトランペッター。
早川「突然入ってきて失礼しました」
ト「とんでもない、でもこの曲をどうしてご存知なんですか」
早川「はぁ、私の親友の作曲なんです」
石川「へえ、飛鳥さんの親友? 飛鳥さん、今どうしてます?」
早川「死にました。いえ、殺されたんです。私はその犯人を追っています」
二人の会話で、「二人の地平線」を飛鳥が作曲したことが分かる。
その時、天窓から何者かが銃を撃ち、トランペッターを殺してしまう。

早川は犯人を追跡するが、怪しいトランペット吹きが立ちはだかる。
早川「なるほど、黒やもりの用心棒、トミーさんの御出現ですか」
トミー「ヒューッ、それじゃあ俺が日本一のペット吹きだってことも知ってるだろうな」
早川「ちょっと違いますね。お前さん日本じゃあ二番目だ」
トミー「なんだとぉ俺以外に日本一がどこにいる?」

いつものように、自分の顔を指で差す早川。
ただ、たった今、人が殺されたばかりだというのに、その笑顔はいくらなんでもまずいのでは?
毎度お馴染みの技比べが催されるが、今回は紹介する価値もないほど地味な戦いが繰り広げられる。詳細は実際に映像でご確認下さい。

石川たちはプロ野球の石森選手のテレビ番組でバックバンドをする予定だったのだ。
ここで早くもその様子が映し出されるが、これは黒やもり組による予行練習である。
アナ「全国の良い子のたちのためにテレビ局が贈るささやかなプレゼント。石森選手の誕生パーティーです。演奏はホワイトゴーグルズ! 日本一のホームラン王であり、名三塁手でもあった石森選手、栄光のビッグハンズ(?)は永遠に不滅ですの名言を残した石森選手に心からの拍手と声援を……」
石森選手を演じるのは原作者の石森章太郎氏。年齢的に、現役を退いた元選手となっている。
トランペット吹きが立ち上がって、高らかに「二人の地平線」を吹いていたが、その先から吹き矢が飛び、石森選手を殺してしまう。無論、トミーである。

照明がつくと、そこが首領Lのオフィスだと分かる。なんでわざわざこんなところでやるの?
L「はっはっはっはっは、リハーサルは大成功だ。本番もその調子で頼むぞ」

殺されたはずの石森選手が立ち上がると、それは黒やもりの変装した姿だった。
しかし、なんちゅう顔だよ。これじゃコンビニにも行けんぞ。
黒やもり「既にホワイトゴーグルズのペット吹きは私が始末してあります。その後釜にこのトミーが入れば」
L「ただ殺すのではないぞ、うーんと苦しめろ。憧れの石森選手が醜く殺される様をテレビに映し出し、全国の少年達の夢をぶっ壊してやるのだ!」 と言う訳で、今回は珍しく実利的な目的のないLの命令であった。
それにしても、Lの角も長いよなぁ。こいつもコンビニには行けそうもない。

だが、
のこのことゴーグルズのトランペッターになるべくやってきたトミーだが、石川から既に竜一と言う別のペット吹きを採用したと言われる。
「俺のペットを聴いてからにしな」と、腕前を披露しようとするが、
「その必要はありません」と冷たく断られる。トミー、生まれてこの方味わったことのない屈辱の瞬間であった。
で、その竜一には手術を控えた病身の弟がいて、竜一は自分が立派にペットを吹いて見せるから、お前も手術を受けるんだぞ、と言うベタベタな展開となる。
当然、黒やもり組は、邪魔な竜一を殺そうとするが、毎回早川に邪魔される。ちょうどそこへみどりさんとオサム君がやってくる。早川は、竜一の安全を考え、トランペットは自分が吹くと言い出す。

竜一は安全な場所でオサム君と一緒に、そしてみどりさんは弟のそばにつく。
みどり「今日はいよいよ手術ね。頑張るのよ」
弟「お兄ちゃんのテレビ見てからじゃなきゃいやだぁ」
その後、竜一はやはり自分が吹くんだと隠れ家からいなくなってしまう。早川が彼を助けに行った隙に、トミーが早川に化けてバンドに潜り込む。みんなゴーグルをつけているから、ばれないのだ。

いよいよ本番。本物の石森選手の前でトミーが吹き矢を吹こうとするが、竜一がやってきて「あいつはニセモノだ」と叫ぶ。構わず吹き矢を吹こうとするトミーだが、更にもうひとりペット吹きが現れて、彼の吹き矢を空中で弾き返す。
この、次から次へとペット吹きが出てくるくだりも、妙に笑いのツボを押してくる。
石川以外のメンバーもいつの間にか黒やもり組のチンピラたちに入れ替わっていた。
彼らによって石森選手は屋上に連れて行かれ、銃殺されそうになる。

そこへ大胆な合成画面で飛んでくるズバッカー。

後はいつものルーティンワークをこなす。
ただ、今回は手下をやられたボスがバイクで逃げ、それをズバッカーで追跡すると言うシーンがある。もっとも走っているのは撮影所の中だけど。
そうそう、トミーも一応出てくるが何の見せ場もなくやられている。多分、「ズバット」に出てくる用心棒の中でも、トミーは最弱だろうなぁ。
……で、結局、弟の手術はどうなったんだろう。兄がトランペット吹かなきゃ受けないとか言っていたが、番組は、あの後、ちゃんと放送されたのだろうか? その辺の説明は一切ない。

最後、夕日の中、ひとり去っていく早川。彼を追いかける三人。
みどり「早川さーん」
みどりさんてほんと、子供みたいで可愛いなぁ。ぐふふ。