第19話「私の星の王子様」 ワールド太陽熱研究所と言う施設の入り口にはガードマンが立って、入場者のチェックを厳重に行っていた。

普通の格好が嬉しいケラーは、わざとらしくその前で車のボンネットを開けて困っているふりをする。これでガードマンにシカトされたら単なるアホだが、ガードマンは「どうしました?」などとすぐ引っ掛かる。ケラーはかがみ込んだガードマンの顔をボンネットで押し潰す。邪魔者を排除したケラーは、ミラーや戦闘員と一緒に施設内に侵入する。

所長「おいマツ、可愛い恋人が来たぞ」
犬を連れた少女を研究室の窓から見て所長が松本所員に声をかける。

所員「おいマツ、今日もだなぁ」
松本「あいつ、もう良いって言ったのに」
所長「可愛いじゃないか、おい、行ってやれよ」
このシーンを額面どおりに受け取ると、この研究室は
ロリコン大歓迎の職場なのかと日本中が騒然となるのだが、女の子は松本の妹である。
松本が建物から出て、妹とデートしている隙にケラーたちが研究室に押し入り、所員たちをボコボコにし、重要な書類も焼却してしまう。

松本たちはクリーンな太陽モーターを開発していた。それが普及すれば、有害な排気ガスが全てカットされると聞いて、
ヘドリアン女王「バカな、あたしは大気が汚れた毒々しい東京の空気が好きじゃ」 と、憤る。今回もまた実利の伴わない作戦のようだ。
彼らは引き続き研究を続ける松本を殺そうとするが、デンジマンが警護をしていて近付けない。で、

ヘドリアン女王「ガマラー、お前の使命は星の王子なることじゃ。星の王子になって可愛い娘を誘惑するのじゃ」
と言うことになる。

その作戦の前に、子役レギュラーだった源一(安藤聖一)が祖父のいる北海道へ牧場を継ぐためと言う理由で引越しする様子が描かれる。源一はこのまま番組から降板するが、ちゃんとこうやって別れの場面を丁寧に描いているのは好感が持てる。

星の王子に化けたガマラーは、その姿のまま前線に投入される。当然、他の子供たちにいじめられる。松本の妹・なるみは、彼と出会いそのテレパシー能力などであっさり篭絡される。
そして知らず知らずのうちに彼の手先として兄の研究室の様子などをスパイする。

なるみを利用して松本の研究室へ入り込もうとしたガマラーだったが、デンジマンが待ち伏せしており、特殊な鏡によってその正体も暴露される。
後はガマラーと戦って倒すのみ。
第20話「ゴリラ少年大暴れ」 
「最強のベーダー怪人」と言う触れ込みのハチドクラーが難産の末、誕生するが……、
ヘドラー「ハチドクラーめにござい……ます……」
ハチドクラー「は……ふ……」
出てきたのはいかにもだるそうで、覇気のない怪人であった。ヘドリアン女王は激怒するが、ヘドラー曰く、「100年に一度だけ岩の間に密かに咲く真紅の花、その蜜が何よりの好物」で、それを与えれば本来の力を発揮すると言う。
だったら先に蜜を採取してから卵を孵化させればいいと思うのだが、ケラーたちはその花を探しに近所の森の中へ行く。しかし、その蜜は、デブで怠け者のシゲルと言う少年によって見付けられ、すっかり奪われてしまっていた。
蜜を食べたシゲルはその作用でたちまち大人顔負けのパワーと運動神経を持つ少年に変わる。
彼のことをバカにしていた三太たちに暴力をふるい、通り掛かった千恵子巡査(酒井ゆきえ)も吹っ飛ばす。

一子相伝の拳法使い同士の戦いではない。

その様子を今回も普通の格好が嬉しいケラーが見て、シゲルが蜜を盗んだ犯人だと知る。

千恵子からシゲルのことを聞いたデンジマンも、気になってシゲルに話しかけるが、デンジマンも軽く吹っ飛ばされてしまう。植え込みの中に頭から突っ込んでいるのはグリーン。
ピンクのこの衣装、見られてもいいパンツなのだが、あまりに堂々と尻が出ているのが実にワイセツである。

千恵子はその後も、シゲルにミニパトごと川に突き落とされるなど、散々な目に遭う。
グリーン「チーコ、大丈夫か?」
千恵子「シゲル君がやったのよ、あの子は悪い子です。なんとかしてよー」
驚異的なパワーを得たシゲルだが、さすがにベーダーの戦闘員の集団には勝てず、脅されて残りの蜜の隠し場所を白状してしまう。

同時に、蜜の副作用によってシゲルは高熱を発してしまう。苦しむ少年を発見した二人は、
グリーン「ほっといて逃げよう!」 ピンク「ええ」
と、「見なかったこと」にして、その場から逃げ出すのであった(嘘です)。
シゲルは病院へ担ぎ込まれたが、医者は
「おかしいねえ、こんな病気は見たこともないねえ」と実に無責任な発言をするばかり。結局、イエローの分析と助言によって治療される。

さて、好物の蜜を頭のタンクに補給されたハチドクラーはたちまち本来のパワーを取り戻し、街で大暴れする。ここでもミニパトをひっくり返され、同僚の友子巡査(阿竹真理)共々こんな目に遭う千恵子巡査であった。

最後はデンジマンとの戦い。イエローのスーツアクターは伊藤久二康氏で、さすがの跳ねっぷりである。
ただ、ハチドクラー、「最強」と言う割に、普段と特に変わらない戦いによって倒されている。前回のガマラーの方がよっぽど善戦していたように思う。ここはやはり、頭の蜜を奪われるか、使い果たすかして、弱体化すると言う描写が欲しかった。
シゲルの病気も自然に治る(どうでもいい)。