「仮面ライダーＶ3」を21世紀の今だからこそ楽しむ 劇場版 後編

仮面ライダー THE MOVIE VOL.2(DVD) 価格：3,804円（税込、送料別）

　サタンニウムの隠し場所を書いた地図を持っていると言う、沖田の妹ヒロコを探すため、ホテルのホールで行われているショーを見に来たおやっさんと純子たち。

　

　ボーカル「恋の酒ならテキーラ～♪　ラテンロックで踊ろう～♪　指先からでも心はかよう～♪　僕の気持ちはメキシカンパッション～♪」

　彼女たちがノリノリで歌っているのは、橋幸夫の「恋のメキシカン・ロック」であった。

　純子（何の興味もなさそうに）「どの人が沖田ヒロコさんかしら？」

　歌が終わった直後、会場が暗転し、ドクバリグモが「グンモー」（グンマーではない）と鳴きながら現れ、ヒロコから地図を奪おうと襲ってくる。

　そこへ颯爽として登場したのは無論、風見志郎。ステージ衣装のままのちょっとエッチな格好のヒロコを連れて、デストロンの追っ手を逃れて走る。

　どこか良く知らないが、洞窟の中へ続いているような赤い欄干のついた桟道のような道をひたすら走る。

　と、反対側から、これも本編の四国ロケに出てきたギロチンザウルスと言う怪人が出てくる。志郎は元来た道を引き返し、最後は、金ピカのお堂のような建物の前に出る。

　

　それぞれ高知の当時一押しの観光スポットだったのだろう。

　おやっさんにヒロコを託すと、志郎はかっこよく変身ポーズを決める。このシーンは「仮面ライダーＸ」の劇場版で、Ｖ3の変身シーンとして使い回しされていた。

　ここで、ギロチンザウルスを倒すのだが、

　

　キックで橋の上からギロちゃんを落とすと……、

　

　橋そのものが見えなくなるほど凄まじい水柱が上がる。さすがにやり過ぎ。

　宮内洋氏は、四国での撮影の際、爆発があまりに凄いので一緒にいた女優さんが失禁してしまったと言うエピソードを以前テレビで披露されていたが、具体的にどこのシーンなのか、良く分からない。

　さて、ヒロコは兄の死を知らされ嘆き悲しむ。そして地図は高知城に隠してあると話し、みんなで取りにいくことになるが、盗聴器によって早くもデストロンに感知されていた。

　そうとは知らないヒロコたち、地図を取り出した瞬間、尾行していたドクバリグモの人間体（中村文弥）に掻っ攫われる。

　

　志郎はＶ3に変身して追跡するのだが、この、城をバックに優雅に飛ぶシーン、絵画のような美しさである。

　

　そして、お城の石段を、ガガガガガとバイクで走り降りてしまうＶ3。良く許可が下りたなぁ（下りてなかったりして……）。

　

　怪人はとある造船所の中へ逃げ込む。

　左側の看板の「来島どつく」と言うのは、以前、会社の金を横領し、さらに社長が密かに目をかけていた経理のユミちゃん（17才）を連れて逃げた来島と言う社員に対する、社長の断固たる怒りと決意を示したもの……ではなく、「来島ドック」と言う、造船会社の名前である。

　ちなみに前回出てきたフェリー「さんふらわあ」5（だと思うが）は、この来島ドックで同年3月に完成しているのだ。ここがロケ地になったのもその縁だろう。

　

　そこにはドクトル・ゲー、タイホウバッファローたちが待ち構えていた。

　ゲー「良く聞けＶ3、サタンニウムは我がデストロンのものだ。これさえあれば世界征服は時間の問題だ。Ｖ3、すなわち貴様の墓場はここだ！」

　文章のつながりが不自然な気がする……。

　タイホウバッファローの一撃で、Ｖ3は倒された……ように見えたが。

　

　意気揚々と歩いてくる仲良し三人組。

　タイホウ「バーフォーッ」
　ドクバリ「グンモーッ」
　ゲー「四国占領作戦は成功した」

　ゲーさん、いつ四国を占領したんですか？　そんなシーンひとつもなかったんですが。

　ゲー「これからはサタンニウムを手に入れ、日本全土を攻略するのだ！」

　そこへ、聞き覚えのある、渋い声が飛んでくる。

　1号「そうはさせん！」

　

　声の方を向くと、何の前触れもなくダブルライダーが立っていた。わーお。

　1号「驚いたかドクトル・ゲー？」

　

　ゲーはともかく、右側の戦闘員の方は、かなり驚かれたようです。

　ゲー「いつ日本に？」（←聞いてどうする）
　1号「俺たちはデストロンの野望を潰すためにオーストラリアからやってきたんだ」
　2号「デストロン、俺たち仮面ライダー3人の力で、貴様たちを叩き潰してやる！」

　声はそれぞれ藤岡弘、佐々木剛が演じている。

　2号の台詞にゲーがギョッとした瞬間、別の崖上に死んだ筈だよＶ3がすっくと立ち上がる。

　

　ゲーも負けじと、過去に倒された怪人を大量に倉庫から引っ張り出してきて対抗する。

　ただ、どの怪人もそれぞれ固有の武器や能力は使わず、ひたすらタコ殴りするだけなので、戦闘員と大差のない強さでしかなく、トリプルライダーの前にはザコ同然。

　「グンモー」「グンモー」と言う鳴き声が愛くるしいドクバリグモは、Ｖ3に蹴られた上、

　

　タイホウバッファローのバズーカ砲が誤爆して、粉々に破壊されてしまう。合掌。

　

　外道のゲーは、仲間の怪人たちもいますが、と言うバッファローの躊躇も叱り付けて、敵味方のいる場所を集中攻撃させる。

　

　ここの火薬量も半端ではなく、ライダーと怪人たちを囲むように連続的に爆発が起こり、最後は画面全体が白煙に覆われると言う事態になる。

　だが、風が吹いた後、ライダー3人だけ立ち上がる。そう、わざわざ仲間の怪人たちを自らの手で倒してしまう結果となったのだ。ゲーの面目丸潰れ。

　

　タイホウ「こうなったら貴様たちと一緒に自爆してやる！　ガフーッ」

　妙に自暴自棄になっているタイホウバッファローであった。仲間を殺してしまったことを悔いていたのかもしれない。

　ただ如何せん、馬鹿だったので、アウトレンジを保ってガンガン撃てばいいのに、わざわざ彼らに近付いて戦ったため、あっさり蹴られて死ぬのだった。

　ゲーも尻尾を巻いて逃げ出す。

　事件が解決したら、後はもう遊ぶだけだと、純子さんやシゲルたちは、帰りのさんふらわあの中で狂ったように遊び倒していた。

　ま、スマートボールをするとか、プールで泳ぐとか、その程度だけど。テレビ版の四国編でも、同じ船上で遊んでたっけ？　テレビと映画は同時に撮影してるんだろうなぁ。

　

　で、アップにならないのが七代まで祟りたいほど悔しいが、純子さんのビキニ姿がちょっとだけ見れるのであった。

　それを全力で眺めていた志郎、おやっさんにダブルライダーはまたオーストラリアに行ったと話す。彼らはオーストラリアでデストロンと戦っているらしい。

　船上から青い海を見る志郎を映しつつ、エンディングとなる。

　おしまい。

　さあ、これでＶ3レビューは今度こそ完全に終わった……筈なのだが？