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横溝正史シリーズ2「仮面劇場」

仮面劇場(リマスター版)(DVD)

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 致死率66パーセントの恐怖!

 と言う訳で、横溝正史シリーズ2「仮面劇場」であります。

 順番から行けば「黒猫亭事件」「女王蜂」などを先に紹介すべきなのだが、いずれも凡作なので、最後にまとめて記事にすることにして、今回は第8作目のこちらを取り上げたい。

 まあ、こちらも、はっきり言って滅茶苦茶な作品ではあるのだが……。

 原作は戦前に書かれた同名作品で、探偵は当然、由利先生なのでドラマでは金田一に変更されている。内容的には、耽美小説とスリラーと不可能ミステリーを一緒にしたような感じで、正史の戦後の精緻な本格ミステリー群とは比較にならないのだが、これはこれで面白い。

 目も見えず、耳も聞けず、口も利けない三重苦の美少年の周囲で次々と起こる殺人事件に因縁話を絡めたものである。

 ドラマもだいたい同じだが、ヒロイン司葉子と恋人・池部良との大人の恋愛により重点が置かれている。

 で、ストーリーをいちいち説明していくのは面倒だし、つまらないので、大雑把な話の流れを解説しつつ、死者に関しては漏れなく拾い上げると言う方針で行きたい(行けや)。

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 昭和26年、金田一は瀬戸内海を走るフェリー上で、大道寺綾子と言う金持ちの未亡人と知り合う。演じるのは映画「獄門島」の(影の)ヒロイン司葉子である。

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 ちょうどその時、フェリーの前に棺桶を乗せて漂流しているボートが現れる。引き揚げてみると、棺桶には美少年・虹之助なる人物が横たわっていたが、彼はまだ死んでいなかった。

 彼が何者で、誰がこんなことをしたのか、皆目見当もつかないが、綾子は目も耳も口も不自由な虹之助に同情し、周囲の反対を押し切って彼を引き取ることにする。

 虹ちゃんを演じるのは、長尾深雪と言う女優さんである。

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 金田一は綾子に請われて一緒に東京へ戻る。

 箱根の芦ノ湖での花火大会の夜、金田一たちは綾子の友人の甲野兄妹および鵜藤と言う男と出会う。甲野由美を演じるのは服部妙子さん。まだ初々しくてとても可愛いのである。

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 綾子は虹之助を自分の屋敷に引き取って世話をしていたが、綾子の家政婦が早速何者かに殺されると言う事件が発生。死者1号。

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 ちなみに綾子の幼馴染で密かに思いを寄せている謎の男・志賀恭三を、映画「吸血蛾」で金田一を演じたこともある池部良が颯爽と演じている。

 この志賀恭三と言う名前、正史が好んで使う名前のひとつで、全く同じか、似たような名前が他の作品にちょいちょい出てくる。由美や、静馬(由美の兄)、珠代(綾子の義妹)も同様。

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 甲野家は小豆島の出身なのだが、兄妹の母親・梨枝子が島から東京へやってくる。ところが、虹之助と一緒にいる間に、毒殺されてしまう。死者2号。警察は当然、虹之助を疑うが、なにしろ目も耳も不自由と言うことで、結局無罪になる。

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 ついで、綾子の屋敷の運転手が特に理由もなく殺される。死者3号。

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 一時、警察から犯人だと疑われていた鵜藤(睦五郎)もあっさり殺される。死者4号。

 この辺で、さすがに綾子自身や、志賀も疑われ、警察に取り調べられたりする。綾子は不幸が続発しても、頑なに虹之助を手放そうとしない。

 ネタバレをしてしまうと、犯人は〔虹之助〕なので、結局綾子の無分別な善意が全ての惨劇の源になっているので、この辺は見ていてイライラしてしまう。その癖、最後に自分だけ幸せになっちゃうし。

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 ついで、綾子のワガママぶりに反発していた義理の妹・珠代(新村礼子)、そして虹之助の周囲に暗躍していた顔に火傷のある男が立て続けに殺される。死者5号、6号。

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 直後、虹之助の秘密について金田一に話そうとしていた尼さんも殺されてしまう。7号。

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 事件の源は、小豆島にありということで、金田一は島へ渡って、二大旧家の争いについて情報を集める。また、恭三が妹をある精神病院へ預けていることを知り、そこを訪ね、同じ小豆島の出身で過去の経緯について良く知っている院長に話を聞く。

 院長を演じているのはご存知、おいちゃんこと下條正巳である。

 で、彼の口から明かされる虹之助の出生にまつわる人間関係が、これまた複雑怪奇骨折なので、全部省略する。原作では、そこまでややこしい話じゃなかったと思うが。

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 まだまだ続くよ殺人は。甲野静馬は、絵を描いている途中、急に苦しみだして崖から落ちて死亡。8号。

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 それとほぼ同時に、妹の由美も毒を盛られてブラをちらちらさせながら苦しむ。死者9号……と言いたいところだが、彼女はかろうじて一命を取り留める。良かった良かった。

 果たして真犯人は誰なのか……? まあ、この段階で、生き残っているのは綾子と志賀、虹之助、そして運転手の妻・菅井きんだけなので、考えるまでもないんだけどね。

 ……きんじゃありません、念の為。

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 ついでに、恭三の妹は、虹之助に瓜二つだったと言う正史好みの設定があり、長尾深雪が二役で演じている。

 いろいろあって、虹之助と恭三の妹も自殺する。9号、10号。……遂に10人達成です!

 警察関係者を除くと、登場人物は15人くらいで、なんとそのうちの10人が死ぬと言う物凄いことになるのだった。死亡率66パーセントである。

 ミステリードラマとしては人間関係の複雑さや、犯人の意外性を除くと、ほとんど取柄のない作品になってしまった。ま、ここまで豪快に人が死ぬと、ある意味立派だけど。


 ……で、


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 お前は一体何をしてたんだ、金田一?


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Author:zura1980
70~80年代の特撮、80年代のドラマを中心に紹介しています。

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