「スケバン刑事2 少女鉄仮面伝説」セレクション 第41話 前編

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　第41話「壮烈！　サキ、雪乃、お京 最後の戦い」（1986年10月16日）

　気がつけば最終回目前となった「スケバン刑事2」のお時間です。

　少女鉄面皮伝説……いえ、なんでもありません。

　ちなみにこの回と同じ週に、管理人にとって記念碑的作品である「セーラー服反逆同盟」の第1回目が放送されてるんだよね。うーむ。

　ところで気の早い話だが、2のレビューが終わったら、今度は3をやろうか1をやろうか迷っている。1は面白いけど、既にレビューサイトを作っているし、3は全体的にあまり面白くないんだよね。うう、まあ、やっぱり3かな。

　さて、前回のラスト、恭志郎の犠牲の上に、遂にキドラの秘宝を入手したサキ。

　兄を殺されたが、依然として信楽老のそばにいる蘭丸は、懐に短刀を握り締めて、兄の仇を討とうと狙っていた。信楽老はそれもすべて承知の上であった。

　鎌倉の広大な屋敷の庭園、その池の上でポンポンと手を叩く信楽老。すると、たくさんの鯉が……じゃなくて、コマンドたちが馳せ参じる。
　信楽老「影ども、麻宮サキの元へ出向いて杯を奪い取って参れ。暗闇指令のことは警戒せずとも良い。既に手は打ってある」

　
　次のシーンで、久しぶりに登場の暗闇指令が、サキにスケバン刑事解任の通告をしている。

　
　サキ「任務はまだ途中ぞね、信楽老と言う最大の大物が残っちょるんじゃ」
　暗闇指令「議論する必要はない……土佐に帰るんだな、サキ、いや、五代陽子、それも違う名か、早乙女志織と呼ぶべきかな。全て忘れて、平凡な娘として幸せに暮らすが良い……」

　名前が三つもあるキャラというのも、なかなか珍しいよね。

　一方的な通告に、サキは「だから大人は信用できない」と反発し、ひとりでも信楽老と戦い続けると宣言する。

　暗闇指令「勝手にするがいい、ただし！　今後お前が暴力を振るったり、人を追い詰めたりすれば、それはすなわち法律違反だ。犯罪者として遠慮なくしょっ引くぞ」
　サキ「大方、信楽老が政治家に手を回しておまんらに圧力をかけたんじゃろう」

　サキの指摘に、分かりやすく顔を背ける暗闇指令。

　
　サキは西脇にも険しい視線を向けるが、西脇は何も言わない。

　サキ「見損のうたぞ、これから先はうちらだけの戦いじゃ。西脇さん、さらばじゃ！」

　その頃、お京と雪乃は、サキの部屋で、キドラの秘宝と言われる瑠璃のような杯を前に、あれこれ話していた。その使い方を知る為に、源十郎が調査を行っているらしい。

　そこへいきなり催涙ガスが投げ込まれ、コマンド（影）が窓から突入してくる。二人は抵抗する間もあればこそ、あっさりと秘宝を持ち去られてしまう。

　
　その後、散髪してすっかり小奇麗になった源十郎が、何処からか見付けて来た古文書を広げて、サキたちに秘宝の使い方についてレクチャーしている。

　
　源十郎「キドラの神怒りて、月を食らう時、命の酒をとく飲み干すべし……この古い言い伝えによれば、キドラの暦で10年ごとの黒い月、すなわち皆既月蝕の夜に、杯は月蝕明けの月の光を浴びて、命の酒を噴き出す、と言うことです」

　その酒を飲んだ者は、不老不死を得られるらしい……。

　なんか急に話がオカルトっぽくなってきたなぁ。

　そして明日の夜が、10年に1度訪れる月蝕の夜に該当すると言う。

　源十郎「あの信楽老が不老不死を得たとすれば、あの男は歴史をどのように操ろうと策略するか知れません」

　源十郎によれば、齢90になろうと言う信楽老こそ、過去、日本に起きた様々な悲劇を私利私欲の為に引き起こしてきた元凶なのだった。
　源十郎「日本人の運命は一人残らずあの男に操られてきたんです」
　お京「それがほんとなら、なんだか気持ち悪いぜ」

　雪乃とお京は、秘宝を易々と盗まれた責任を痛感し、二人で秘宝を取り戻しに行くと立ち上がるが、サキに一緒に戦おうと説得されて、また座り直すのであった。

　
　その夜、サキは西脇に呼び出される。

　西脇「どうしても信楽老をやると言うのか？」
　サキ「やる」
　西脇「だったら、まず俺を倒せ！」

　いいなぁ、こういうベタな展開。これこそ、「スケバン刑事」シリーズをはじめとするガールズバトルドラマの醍醐味である。

　サキ「なんか訳があるんじゃろ？　こんなこと、西脇さんの本心じゃない筈じゃ」

　西脇は無言でホルスターから銃を抜き、サキの足元に威嚇射撃する。

　サキ「……うちは心のどこかでおまんを信じかけちょった。けんど所詮それはうちの甘さじゃったんか。倒す、おまんを倒しちゃる！」

　
　ダブルヨーヨーを構えて、戦闘モードになるサキ。

　西脇「俺を倒せるまでに上達したかな、サキ？」

　距離を保ちつつ睨み合う二人。

　サキは片方のヨーヨーで西脇の銃を叩き落すが、西脇はもう一方のヨーヨーをかわしてサキの間近に迫り、その両腕をねじり上げ、往復ビンタを喰らわす。

　
　倒れ伏したサキだったが、ゆっくりと半身を起こし、落ち着いてヨーヨーの鎖を手繰り寄せる。

　そして丁寧にヨーヨーに巻き直して行く。

　しかし、ひとつならともかく、二つも同時に巻こうとしたら、絶対途中で絡まるよね。

　西脇は何故か手を出さず、それが終わるのを待ってやる。

　サキ「信楽老を倒すまで、うちは敗れる訳にはいかんのじゃ！」
　改めて投じたヨーヨーが、西脇の胸に重い衝撃となって突き刺さる。

　西脇はその場にうずくまり、呻き声を漏らす。
　だが、サキが走り去った後、ニヤリと笑みを浮かべるのだった。

　夜が明け、決戦の朝が訪れる。

　
　サキは戦場に赴く前に、再び父・早乙女七郎の墓へ足を運び、もはや誰からも狙われることのなくなったペンダントを墓前に置く。母・道子の写真が見えるように蓋を開いて。

　サキ「母上をあなたの側へお返しします。父上、末永く、仲良う……うちらの力はまだまだ弱い。けんど、それでもやるしかないがじゃき。戦いとは勝てるが故に戦うにあらず、やむにやまれぬ人の道ゆえに戦うがです。沙織は本日、信楽老と戦います。死ぬかもしれません。けんど、それを親不孝と叱らず、よくぞやったと……それしかうちの行く道はないがです」

　
　両親に別れを告げ、ひとり信楽老の元へ向かうサキ。

　
　その胸裏には、初めて東京へ連れて来られた時のことや、スケバン刑事としてお京や雪乃たちと共に過ごしてきた激しくも充実した日々の記憶が鮮明に甦っていた。

　やっぱり、ハイライトシーンを見ると、少しうるうるしちゃう。

　結局、「スケバン刑事2」とは、サキ、お京、雪乃の青春そのものだったんだな、と。

　やがて、それぞれ決意を固めたお京と雪乃も合流し、三人肩を並べて歩き出す。

　後編に続く。