「仮面ライダーBLACK」セレクション 第14話「マグロが消えた日」

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　第14話「マグロが消えた日」（1988年1月10日）

　新年一発目の放送、そして2クール目の初回と言うことで、「悪の組織」恒例、過去の戦いを振り返っての反省会を開いているゴルゴムの三神官。

　「ゴルゴム最強の怪人を差し向けるしかない」と言うことで意見が一致して、新年会に雪崩れ込む（註・込みません）

　その最強の怪人、マンモス怪人は早速バイクで走行中の光太郎をおびき出して襲撃するが、口ほどにもなく逃げ戻ってくる。

　
　ダロム「マンモス怪人が敗れるとは……」
　バラオム「その心配は無用！」
　ビシュム「何か策が？」
　バラオム「マンモス怪人をパワーアップさせるタウリンエキスを黒松が開発しました」

　黒松によれば、タウリンエキスはマグロの脳神経細胞より抽出した生体酵素らしい。安い栄養ドリンクに入っている何の効き目もないタウリンとは別物らしい。

　
　光太郎が店に帰ってくると、近くの寿司屋の息子だと言う太郎少年が遊びに来ていた。
　その父親である寿司職人の太助が「子供が遊んで貰ってるお礼だ」と言って、寿司桶を差し入れてくれる。

　太助「でもよ、マグロ抜きだぜ。ひでー奴がいてな、市場のマグロ全部買い占めやがって……」

　
　太助「そこの兄ちゃんも食べてくんな」
　光太郎「はい、頂きます！」

　
　光太郎、よりによって玉子をチョイスし、口に運ぶ。

　
　光太郎「うーん、まずい！」

　……ま、お約束と言うことで。

　無論、マグロの買占め犯人は我らが黒松教授。

　
　髪を逆立て、義眼と義手をつけたマッドサイエンティストモードの黒松が、三神官の前でマンモス怪人にタウリンエキスを飲ませている。

　
　ダロム「でかしたぞ、そのタウリンエキスが全ての怪人の活性化に役立つ」
　黒松「多くの怪人様に必要なタウリンエキスを製造するには、数多くのマグロが必要です」

　しかし、こうして並ぶと、マンモス怪人が意外とちっちゃいことがバレてしまうな。

　とにかく、黒松とマンモス怪人の仲良しコンビは、それからせっせとマグロ保管倉庫を襲撃してはマグロを大量に掻き集める。

　こういう場合、戦闘員が存在しない「BLACK」はまことに不便である。

　
　太助は何者かがマグロを盗んでいると聞かされ、自分でその犯人を捕まえてやると倉庫に張り込むことにする。

　ちなみにこの人、どっかで見たことあるなぁと思ったら、「バトルフィーバーJ」で時速200キロのボールを投げていた人でした。日吉としやすさん。

　太助が見張りをしていた倉庫にマンモス怪人が現れるが、無論、太助のかなう相手ではなくボコボコにされてしまう。怪我をした太助の見舞いに行った光太郎は、事件の背後にゴルゴムがいることを察知する。

　光太郎が事件の謎を追う一方、杏子と克美は太郎を連れて海へ。
　その日は太郎の母親の命日で、いつも父親と花束を捧げに海へ行くらしい。

　
　克美は、寄せては返す波を見ているうちに、ふとありしの信彦のことを思い出す。

　
　ゴルゴムにさらわれる直前、彼らはクルージングを楽しんでいたのだ。

　ここでEDが流れ出すのだが、

　
　杏子と克美が「緑なす大地～」と歌い出すのがミョ～な演出。

　まぁ、「白い砂浜と可憐な桜貝～」などと言う歌詞にピッタリの場所ではあるんだが。

　ただ、この曲はなかなか難しいので、音程が外れ気味なんだよね。

　途中から、坂井紀雄氏の歌声に変わる。

　
　2番になると、三人が戯れる様子がスローモーションで映し出され、まるっきりイメージビデオの世界になる。

　このシーン、要ります？

　
　最後は、
　太郎「おかあちゃーん！」
　杏子「お兄ちゃーん！」
　克美「信彦さーん！」
　と、みんなで海に向かって叫ぶのだった。

　青春だね。

　光太郎の方は、割と簡単にマンモス怪人のアジトを突き止める。
　BLACKに変身して、マンモス怪人との戦いになる。

　
　黒松教授は、洞窟の中にしつらえた研究室で、楽しくお仕事中。

　ベルトコンベヤーで運ばれる冷凍マグロから次々タウリンエキスが抽出されていく。

　
　が、そこへ負傷した怪人が飛び込んできて、タウリンエキスをがぶ飲みする。

　たちまち怪人の傷が癒えるが、BLACKを研究室まで呼び込んでしまうミスを犯す。

　黒松もそろそろ死ぬ頃かと思ったが、意外としぶとくて両者が戦っている混乱に乗じて逃げおおせる。
　当然、研究設備もBLACKによって破壊される。

　
　洞窟から走って出てくるBLACK。

　
　洞窟からの激しい爆発を背に、バッタのように跳躍する。

　
　BLACKはマンモス怪人の冷凍ガスと巨大なツララによって動きを封じられるが、

　
　BLACK「パワーストライプ！」

　手首や胸にある「パワーストライプ（ス）」に蓄積されていたエネルギーを放出させ、氷を溶かす。

　このタイミングでイントロが流れ出す挿入曲「ブラックホール・メッセージ」がめちゃカッコイイ曲なんだよね。「全てを飲み込む暗闇の底にうごめくたくらみ、鋭く尖った牙～♪」ってね。

　後、ライダーパンチとキックでマンモス怪人を倒して事件解決。

　嘘でも「最強」と言われてるんだから、もうちょっとBLACKを苦しめて欲しかったところだ。

　で、ゴルゴムも、この時点で「怪人はBLACKに絶対勝てない」と言うことを認識すべきなのだが、また次回から何事もなかったように新たな怪人を送り込み続けるのだった。

　なお、黒松教授はバラオムにこっぴどく叱られるが、今回も処刑は免れる。
　これが「アマゾン」のゴルゴスやゼロ大帝だったら、既に5、6回殺されているところだ。