「スケバン刑事2 少女鉄仮面伝説」セレクション 第21話 前編

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　第21話「おニャン子クラブが危機一発」（1986年4月3日）

　一度はスルーしたエピソードだが、この1話だけ残すのはすっきりしないので、最終回の前にあえて取り上げる。
　スルーした理由については別に贅言を費やす必要はあるまい。

　さて、冒頭、深夜のファミレスで明日やる予定の銀行強盗についてでかい声で話している三人のバカがいた。

　
　それも、標的の王子信用金庫の目の前のファミレスで。

　おまけに明日はアイドルグループのおニャン子クラブがそこで一日行員をやることになっていた。
　だが、リーダー格の男は「そんなの関係ねえ！」と小島よしおのように言ってのけるのであった。

　更に、その会話を近くの席で聞いていた女の子が、他ならぬおニャン子クラブの名越美香だったと言う奇跡が起きる。

　今ちょっと調べたら、彼女はクラブ内の「ニャンギラス」と言う派生ユニットの一員だったと余計なことを知ってしまった。

　
　一方、サキは部屋に西脇を呼び出し、ヨーヨーの蓋が閉まらなくなったから修理して欲しいと頼む。

　西脇は、力を込めて蓋を閉めようとする。
　サキ「無理っちゃ、うちも試してみたけんど……」

　だが、西脇は男の意地でなんとか締めることに成功。だが、一緒に自分の指まで挟んでしまう。

　
　サキ「どがいしたん？」
　西脇「なるほど、これじゃ使い物にならんな、大至急修理させよう、はははは……」

　笑って誤魔化しながら部屋を出て行く西脇。
　こういうコメディタッチの西脇の姿は極めて珍しい。

　翌日、問題の王子信用金庫。

　
　店内にはおニャン子の曲がガンガン流れ、しかも入り口ではこんな風におニャン子たちが総出で出迎えてくれる。うわー、行きたくねえ。

　
　そして客を誘導したり、子供の相手をしたり、鬱陶しいほど忙しく立ち働くメンバー。
　
　邪魔である。

　
　さて、放課後、サキはお京と雪乃の見舞いに行く。そうか、この時期はまだ雪乃が入院しているのだった。

　二人が病床の雪乃に渡したのは、3年生のバッジだった。そう、今回は新学期最初の放送だったのだ。

　
　お京「ね、ね、ね、ね、サキもさ、これやる時……3年B組、麻宮サキ！　……ってやっちゃうわけ？」

　サキのポーズと口調を真似て見せるお京がめっちゃ可愛い……。

　
　雪乃「2年B組って間違えて、あっ、いけない、3年B組って言い直したりして！」
　お京「その間に敵が逃げちゃったりなんかして！」

　盛り上がる二人だったが、生真面目なサキは「今度から3年て言わんといかんのじゃねえ」とつぶやく。

　お京に実際にやって見せてとせがまれるが、ヨーヨーは今、手元にないのだと説明する。
　そして、時計が3時前なのを見て、慌てて病室から出て行く。銀行に生活費を下ろしに行くらしい。

　
　大方の識者が予想したとおり、サキが向かったのはあの王子信用金庫だった。

　閉まり掛けのシャッターを潜り抜けて、中に入るサキ。

　
　おニャン子「サキさん、こんにちはーっ」

　サキの姿を見て嬉しそうに集まるおニャン子たち。サキたちは9話でおニャン子クラブの危機を救っており、彼らとは顔見知りなのだった。

　
　サキ「おまんら、どうして？」
　福永「わたしたちここで、一日行員やってたんです」
　サキ「はぁ、そうか……」

　今回、ちゃんとした台詞があるのは名越と、この福永恵規（さとみ）くらいである。
　これがきっかけになったのか、彼女は次回作の3で準レギュラーを務めることになる。

　サキ、とにかく、払い戻し請求書を書こうとするが、つい「3年B組　麻宮サキ」と書いてしまう。

　サキ「お京が変なこと言うきぃ、どうも気になっていかんちゃ」
　書き損じた用紙を丸めて、ポケットに突っ込むサキ。

　で、そんなサキの様子を、

　
　おニャン子たちが取り囲むようにして見守っているのだった。ああ、鬱陶しい。

　と、そのタイミングで、あの三バカが銃をぶっ放しながら乱入してくる。

　サキは反射的にヨーヨーを取り出そうとするが、ヨーヨーは現在修理中。

　
　突然の状況に、固まるおニャン子たちの姿が映し出されて行く。

　左から、えー、知りません、知りません。

　サキは落ち着いて三人の態度をチェックし、リーダー格の男以外は、震えていたり興奮していたり、場慣れしていないことを見抜く。

　三人が、バッグに現金を詰めさせている間、行員の一人がこっそり警察への通報ボタンを押す。

　
　再びおニャン子たちのショット。

　左から、えー、知りません、知りません、知りません、知りません、知りません、知りません。

　左端の女の子はちょっと可愛い。

　三人の一人は、おニャン子クラブのファンらしく、興奮気味におニャン子たちに近付く。

　
　男「僕ね、毎日夕やけニャンニャン見ててさ……」

　管理人、「夕やけ～」と言う番組、全く見たことがないので、おニャン子クラブが具体的にどんな感じだったのか、今もって良く分からないのである。別に知りたいとも思わんが。

　三人は現金を受け取り、一旦退場する。
　そのまま終わればどうと言うことはなかったが、三人はすぐ引き返してくる。

　そう、既に周囲を警察が固めていたのだ。

　野次馬も集まり、銀行周辺は騒然となる。その中には、サキの身を案じてやってきたお京の姿も。

　
　銃を持つ男たちを前に、押し黙って床に座り込むおニャン子、行員たち。

　恵規がサキに手振りで「ヨーヨーを使っては？」と問い掛けるが、

　
　サキは無念そうに首を横に振る。

　リーダー格の男は警察からの電話に「2時間以内に飛行機の用意をしろ、遅れたら人質を殺して行く」とがなりたてる。

　果たして、どうでもいいがおニャン子の運命は？

　後編に続く。