「仮面ライダー」セレクション 第5話「怪人かまきり男」 後編

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　第5話「怪人かまきり男」（1971年5月1日）
　の続きです。

　
　ちか子、本郷の部屋のベッドで眠っている。

　いつの間にかルリ子も来ており、本郷と一緒に見守っている。

　
　猛「昔、ちか子さんは鬼ごっこが上手でね、近所の僕たちはいつも逃げては捕まってしまった」
　ルリ子「ええっ、猛さんが？　可愛かったのね、その頃」
　猛「はは、ところが今は、二人ともショッカーの鬼に追われる仲になっちゃった」

　と、ちか子が苦しそうにうわごとを言う。
　ちか子「いや、そんな恐ろしいこと……いやいやいや、地震、大きな地震……卵、かまきりの卵……ショッカーが午後4時に……」

　とても親切なうわ言であった。

　
　だが、本郷が揺り起こして問い質すと、ちか子は「知りませんわ、それに私ちか子なんて名前じゃありませんの、人違いです」と、豪快にしらばっくれる。

　引き留めようとする本郷、思わず力を込めてちか子の肩を掴んでしまい、ハッとする。

　ここで、毎週恒例の「改造人間の苦悩タイム」となる。

　
　本郷（俺は改造人間なのだ。猛烈な力のコントロールが出来ない体にされてしまってるんだ……）

　
　などとやってると、大胆にも、本郷の部屋にかまきり怪人が侵入してくる。

　多分、ルリ子の後を追ってここまで辿り着いたのだろう。

　目をビカビカ光らせながら、「返せ、返せ、その女を！」

　
　猛「断る！」（きっばり）

　
　怪人「いや、ボク、手ぶらじゃ帰れないんですよぉ」
　猛「断る！」
　怪人「そこをなんとか……半分だけでも」
　猛「断る！」

　（註・管理人は今、「一体俺は何を書いてるのだろう？」と悩んでいる）

　本郷は咄嗟にちか子の手首に何かの機械を取り付け、怪人と戦うが、そのちか子に後ろから頭を殴られ、あえなく昏倒する。

　怪人「よくやった」
　そう、ちか子はずっと前からショッカーに洗脳（催眠？）されていたのだ。

　その割に、本郷を穴に落とした後、「猛さーん」とか叫んでたけどね。

　何故か怪人、今度は猛にトドメを刺そうとせず、ちか子の手を引いてアジトへ向かう。

　
　その入り口は意外にも、とある寺院の奥に作られていた。

　
　このエレベーター、表示ランプが目玉みたいになっているのが面白い。

　
　首領に命じられるまま、ちか子は人工地震計画の仕上げに掛かる。
　ちか子「爆発地点、地殻深度、及び必要なマグニチュードを核エネルギーに換算して既に配置してあります。都市を壊滅させるには、地下水の使い過ぎで地盤沈下しているところを狙い、断層を大きくします」

　本郷は、ちか子の手首に付けた発信装置を頼りに、バイクで急行していた。

　ここでも、わざわざその途中で怪人が待ち伏せして、結果的に本郷をアジトまで案内してしまうと言うミスを犯す。

　地震計画の方は、後はレバーを引くだけとなる。首領はしばらく眠れとちか子に命じ、ちか子は言われるがままベッドに横になる。
　準備完了したのなら、さっさと引けばいいのに、例によって4時決行と言う、自分で決めたルールに拘り、チャンスを逃してしまうことになる。

　首領「これで日本は全滅だ。ぐわっはっはっはっ……」
　日本を滅ぼして、彼らに何の得があるというのだろう？

　
　そこへ怪人を追って仮面ライダーが突入する。

　ライダー「お前みたいに人間の自由を奪い、平和を乱す奴は断じて許さん」

　
　戦闘員たちがわらわらと湧いて出るが、扉の奥の壁にちゃんとカマキリの絵が描いてあるのが芸が細かい。

　
　ライダー「言え、地震のスイッチは何処だ？」
　戦闘員「かまきりの卵……」
　ライダー「かまきりの卵とは核爆弾のことだったのか」
　戦闘員「いや、そんなこと言ってない……」

　ライダーに迫られて、あっさり口を割る情けない戦闘員。

　
　もう手遅れだと思うが、怪人が小さな矢を飛ばして戦闘員の口を封じる。

　戦闘員の服にも、ちゃんとかまきりのマークが入っているのがお分かり頂けるだろうか？

　
　戦闘員は、かまきりっぽく手足を動かした後、

　
　再び、白いビーズとなって消滅する。

　やがて、決行予定の4時が近付いて来る。怪人は部屋の隅の白い卵を割り、その中に隠されていたレバーに手を掛ける。

　が、レバーを引く前に、ライダーのとても珍しい屋内での「ライダーキック」が炸裂し、

　
　あえなく死亡。

　
　そしてまたしても、白ビーズ演出。

　ビーズで、怪人のツノを表現しようと苦心しているスタッフの努力は分かるんですが……。

　
　怪人が死ぬと、残りの戦闘員もバタバタ手足を動かしてから、息絶える。

　そして彼らも……、

　
　ああっ、もうやめて！（管理人の魂の叫び）

　こうして計画は未然に防がれる。……ただ、地中に設置された核爆弾はそのままだと思うんだけど、良いのか？

　ちなみにさっきまで豪傑笑いをしていた首領は最後まで無言。よほど悔しかったのだろう。

　
　ちか子はそんな騒ぎも知らず、すやすやと眠っていた。恐らく、怪人の死と共に、その洗脳も解けるのだろう。
　ライダー（ちか子さん、まだ目覚めてはいけない、いまのボクはあの近所の猛ちゃんではないし、成長した本郷猛でもない！　改造人間としていつ果てるとも知れないショッカーとの戦いに踏み込んでゆかねばならない仮面ライダーなんです！）

　終わりです。