「魔法少女ちゅうかなぱいぱい！」第9話 その1

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　第9話「母さんでもないのに…」（1989年3月12日）

　気が付けばかなり間が空いてしまった「ぱいぱい」の時間でヤス。

　昨夜、この記事を書く為にＤＶＤを再チェックしていたのだが……、

　恥ずかしながら感動のあまり泣いてしまいました！

　いい年して、こんな女の子向け特撮ファンタジーで泣いてはいけないと思うのだが、自分の感情に嘘はつけない。
　このブログを今まで気長に続けてきたのは、今回のエピソードを取り上げて、少しでも多くの人にその素晴らしさを伝える為だったのではないかと思うほどだ。

　おっと、前置きが長くなった。

　放課後のチャイムが鳴り、三々五々、子供たちが校舎から吐き出されて行く。
　我らが三バカ兄弟は、いつものように仲良く下校。

　「少女コマンドーいづみ」2話に出てきた（ような）橋の上で、これまた「少女コマンドーいづみ」でいづみが使っていたスリングショット（パチンコ）で石を飛ばして遊んでいる。

　
　突然、トオルが、最近のぱいぱいがあまりに母親ヅラをしていると不平を漏らす。
　トオル「本当の母さんでもないのに」
　アキラ「しょうがないだろ、母親代わりなんだから」

　トオルは、橋の下から手を振るぱいぱいに、ほいほいと付いて行く弟のシンゴを見て、ますます面白くない。

　
　その後、4人でハンバーガーを食べるが、本当の母親のように甲斐甲斐しくシンゴの世話をするぱいぱい。
　トオルはつまらなそうに先に部屋に引き揚げる。

　トオルの心理としては、ぱいぱいに、幼い頃亡くなった彼らの実の母親の思い出を上書きされるような気がして、反発してしまうと言うところか。

　トオル、使い古しのサッカーシューズを見ているうちに、あることを思い付く。
　トオル「ようし、ぎゃふんと言わしてやる！」

　ここで、

　
　実際にぱいぱいが「ぎゃふん」と言って倒れるイメージ映像を挿入するのが、この番組の素晴らしいところである。

　具体的には、ぱいぱいに「今日、俺の誕生日なんだ。本当のお母さんなら誕生日プレゼントにマラドーナのサッカーシューズくらい用意してくれちゃったりして……」と、気を引くような素振りを見せ付ける。

　無論、誕生日と言うのは真っ赤な嘘。

　人の良いぱいぱいは、疑うこともなく、逆に「母親代わりとして失格だぞっ」と自分を責めるのだった。

　
　とりあえず、マラドーナのシューズ（以下マラシュー）を見に行くが、18500円と言う値札を見て、暗然とする。ちなみに消費税を払わずにお買い物が出来るのは、この年の3月一杯までだったりする。

　ぱいぱい「私の貯金はゼロだし……」

　
　公園でしょんぼり考え込むぱいぱい。

　一旦は魔法の力で、マラシューを出しては見たものの、
　「誕生日のプレゼントみたいな大切な物、魔法で出しても真心が伝わんない……」

　
　そこへヌルハチとタクラマカンが登場。
　ヌルハチ「今日こそ五目殿下の下へお連れしますぞ！」

　忘れがちな設定だが、二人は、ぱいぱいを中華魔界の支配者・五目殿下のところへ花嫁として連れて行く使命を帯びているのだ。

　
　二人は左右からぱいぱいに飛び掛るが、ぱいぱいはひょいと立ち上がり、

　
　二人が激突してひっくり返った後、静かに座り直す。

　ぱいぱい「今、戦う気分じゃないの」

　
　ヌルハチ「ぱいぱい様？」

　アンニュイなぱいぱいがめっちゃ可愛いのである！

　
　ぱいぱいから事情を聞かされたヌルハチ、いつになく自信たっぷりに「お任せ下さい！」

　
　ぱいぱい「ええっ？」（貼りたいだけ）

　
　ヌルハチ「サッカーシューズのひとつやふたつ、このヌルハチが手に入れてお届けします」
　ぱいぱい「ほんとぉ？」
　ヌルハチ「大船に乗った気持ちで、ドーンと！」

　もっとも、彼は部下のタクラマカンにバイトをさせて、その金でマラシューを買おうと言う横着な考えであった。

　
　一方、三バカ兄弟。
　トオルから嘘の誕生日のことを聞かされ、
　アキラ「やっぱり嘘はいけないんじゃないの？　俺、嘘と納豆は嫌いだな」
　シンゴ「俺、カボチャとラッキョは嫌いだな」

　さすがの二人も、あまり感心しない顔をする。

　だが、帰宅したぱいぱいが「マラシューなんとかなりそう」と言った途端、

　
　アキラ「ううーっ」
　シンゴ「どうしたの？」
　アキラ「サッカーシューズ貰えなくて、ひがんでんの……」
　シンゴ「ひがんでんだって！」

　と、トオルに倣って嘘泣きを始める始末。

　
　アキラに「お前もひがめ」と言われ、顔を伏せて泣き真似をするシンゴが可愛いのである。

　ぱいぱい「そんな……、分かったわよ、アキラ君とシンゴ君の分も何とかすればいいんでしょ！」

　その2へ続く。