「仮面ライダーBLACK」セレクション 第16話「友よ！海を越えて」 後編

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　第16話「友よ！海を越えて」（1988年1月24日）
　の続きでする

　滝が、とあるサッカーグラウンドのゴール前でぶらぶらしていると、何処からともなくボールが飛んでくる。
　滝はさっきと同じく、高々と跳躍してボールを蹴る。ボールは見事、ゴールに突き刺さる。

　光太郎「やはり竜シュートだ」
　滝「君ぃ」

　笑顔でこちらに向かってくるのは勿論、光太郎。先程口にした「虹のゴール」と言うのはこのゴールを指していたのだろう。

　光太郎「ここで信彦に言いましたね、ゴールは虹だ。虹のゴールにシュートしろ」
　滝「信彦君を知ってるのか？」
　光太郎「兄弟同様に育ったんです」
　滝「君か、南光太郎君！」

　二人は互いのことを間接的に知っていたのだ。

　
　光太郎「僕と信彦はサッカー部でもライバルでした。2年前、信彦は理学部の先輩から凄いシュートを教わってきた。竜シュートです」
　滝「あいつ、どうしても教えろと聞かないんだ。今どうしてる？」
　光太郎「捕えられてるんです」
　滝「なんだって？」
　光太郎「信彦は、その先輩は国際警察インターポールの刑事だと言ってました」

　滝は、ウルトラクオーツの行方を追って日本にやって来たらしい。

　光太郎はずばり、背後で蠢く悪の組織のことを「ゴルゴムです」と滝に告げる。

　さて、大学で研究中の柳博士、突然壁を突き破ってハサミムシ怪人が現れ、あっという間にゴルゴムの岩盤溶解装置のところへ連れて行かれる。

　スミス博士たちは、その部屋の奥に監禁されていて無事だった。

　柳は、ダロムに命じられるまま、ビーム増幅装置にウルトラクオーツをセットする。
　改めて実験が行われ、今度はフルパワーのビームを流しても、クオーツは安定していた。

　と、柳がいきなりスチールパイプで怪人をどつく。同時に、光太郎が実験室に躍り込む。

　柳はクオーツを奪回して、不敵な笑みを浮かべる。

　
　そして、ここでまさかまさかのベリベリベリ発動！

　
　ギョッとする怪人を見て、会心の笑みを浮かべる光太郎。

　いやー、この笑顔、当時のお母さんたちが騒いだ（？）のも無理はない。

　
　柳博士の顔の下から出て来たのは、

　
　無論、滝竜介であった。

　滝「アジトを突き止めるためのちょっとしたパフォーマンスさっ。柳博士もすっかり後悔して、協力してくれたんでね」

　
　光太郎「さすがインターポールの追跡装置は優秀ですねっ」

　鼻血が出そうなツーショットだね。
　どうでもいいが、今だったら、絶対滝もライダーになるよね。

　滝はスミス博士たちを急いで部屋から出す。
　滝がまだ部屋にいたが、

　
　光太郎は委細構わず変身ポーズを取る。

　光太郎が仮面ライダーBLACKだと滝が知るのも、「仮面ライダー」の滝和也の設定を踏襲しているのだ。

　
　滝「君は……」
　BLACK「早く逃げろ！」

　突然ですが、ここで「仮面ライダー」の法則その1

　人間の時は敬語を使っていても、変身するとタメ口になる。

　
　その後、色々あり、決戦の場は屋外へ。

　「仮面ライダーBLACK！」

　
　名乗った後、右手を上向きにしてグッと握るのがカッコイイ。

　……段々、小学生の感想文みたいになってきたな。

　勝負は簡単にケリがつくかと思われたが、

　

　
　怪人には、鎌や尻尾のハサミ以外にも、あのビーム攻撃があったのだ。

　一転してピンチになるBLACK。

　物陰から戦いを見守っていた滝、ふところからウルトラクオーツを取り出すと、竜シュートでBLACKの前に絶妙のセンタリングを上げる。

　
　光太郎も、元サッカー部と言うことで、飛んで来たクオーツを華麗に蹴り飛ばし、怪人に痛打を与える。

　
　片方の鎌が折れて、滝の目の前で地面に突き刺さる。

　最後はライダーパンチとライダーキックが炸裂し、怪人は煙となって消える。

　
　戦いの後、光太郎は滝にすべてを語る。
　滝「改造人間？」
　光太郎「……」
　滝「じゃあ、信彦君も？」
　光太郎「改造人間です」
　滝「君は今日までたったひとりで戦ってきた、信彦君の為に……人間の自由と平和の為に」

　初代「仮面ライダー」を髣髴とさせる台詞。京本さんが入れさせたのかな？

　滝「でも君は決して一人ぼっちじゃない、共に戦うものは……ここにもいる！」
　がっちり握手をかわす二人。

　滝は再びアメリカへ行ってしまうが、30話で再登場することになる（よく覚えてないけど）。

　でも、やっぱりこういう相棒がいると、それまでの退屈なストーリーが別物のように生き生きしてくるんだよね。滝には、このまま、セミレギュラーとして活躍して欲しかったところだ。